ニコニコ超会議2「クリエイターズサミット」ブースでは、ニコニコ動画で活躍する動画クリエイターらによるトークセッションを開催。1日目の「動画アワード座談会」セッションでは、昨年の「動画アワード2012」受賞者を招き、撮影時の苦労や裏話などが語られた。
面白かったのが、ねとらぼでも「アツすぎる」と紹介した、自主制作動画「仮面ライダーシンギ」(エンターテイメント部門MVD)の作者・DTRさんの撮影秘話。自主制作とは思えないクオリティで話題になった「仮面ライダーシンギ」だが、怪人の着ぐるみは100均ショップで買った数千円のスーツがベース、ライダーのコスチュームも東急ハンズで材料を揃え、トータルでは3万円くらいしかかかっていないそうだ。
撮影にかかった日数は3日間で、いずれも人がいない早朝を狙って撮影。それでも途中、子供連れのお母さんに写真をせがまれたり、隣で野球の練習をしていた子供たちに「仮面ライダーだ!」「ホンモノ初めて見た!」などと騒がれたこともあったとか。
「当時ちょうどウィザードが始まる少し前だったので、たぶんフォーゼの次はこれだ! って思われてたと思います(笑)」(DTRさん)
さらにものすごかったのは、切り絵のミクにストップモーションで「ねこみみスイッチ」を踊らせた「【紙ミク】ねこみみスイッチ【踊ってみた】」(VOCALOID部門MVD)のミロさん。約4分ほどの曲だが、1秒あたり10コマの切り絵を使ったため、全体で使用した切り絵は約2400枚にものぼった。何気なく始めてはみたものの、20コマほど作ったところで「なんでこんなことを始めたんだろう」と頭をかかえたとか。
普段は会社員で、切り絵制作の時間は毎朝4時に起きてむりやりひねり出した。時には会社の昼休みに、会社の人に隠れてこっそり作っていたこともあったという。ここまで来るともはや執念の産物。結局、完成までには半年間を要したそうだ。
座談会ではそのほか、「『ペプシマン』全部俺ってみた」(年間グランプリ)のタイ焼き屋さん、「全力でスイッチをONするとOFFするロボットと戦ってみた」(ニコニコ技術部部門MVD)の回路師さん、「サバイバルゲーム 枯れた声で実況プレイ」(スポーツ部門MVD)も登壇し、それぞれに撮影時の苦労を語ってくれた。華々しい人気動画の裏側には、やはり数え切れないほどの苦労があったようだ。
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