ニコニコ動画のライブハウス「ニコファーレ」は6月26日、「MikuMikuDance」(MMD)に対応した新システムを導入した。透過スクリーンとプロジェクター、偏向フィルターなどを使って、ネットとリアルで同時に楽しめる「次世代ARライブ」を実現する。
ニコファーレのステージ上に透過スクリーンとプロジェクターを設置し、映像を投影することで、会場の観客はステージ上のバーチャルキャラクターを観覧できる。昨年話題になった初音ミクコンサートのように、キャラクターが実際に目の前にいるような臨場感を味わえるというわけだ。
透過スクリーンとプロジェクターを使ったバーチャルライブは一般的に、大型プロジェクターを用いて光量を確保する必要があった。それに対してニコファーレのシステムでは、多数の小型プロジェクターを全台同時に投影して光量を確保することで、より少スペースでのバーチャルライブを可能にしている。さらに新システムはMMDにも対応。ユーザーが制作したMMDデータを無加工のまま使用できる。
ところでニコファーレでのライブはネット配信されることがほとんどだが、透過スクリーンを使ったライブの模様をそのままネット配信するとなると、カメラアングルなどの制限があり、演出も限られるという問題が生まれてしまう。そこで新システムでは、会場で透過スクリーンライブを実施するのと同時に、ネット視聴者向けにはARライブを実現できるようにした。
仕組みはこうだ。まずは、プロジェクターとライブ配信用カメラに偏光フィルターを装着。ライブ配信用カメラで撮影した映像には、透過スクリーンの映像が映らないよう細工しておく。そのうえでライブ配信用映像にはCGをリアルタイムに合成。そうすることでネット視聴者は、CGのキャラクターが会場を動きまわるARライブを楽しめる。
ニコファーレは今後、新システムを使ってアニメの新作発表会でキャラと声優本人が共演する、製品発表会でプレゼンターの動作に合わせたインタラクティブな演出を実現する――といった活用法を提案していく。6月26日午後7時から、VOCALOIDソフト「メグッポイド」のGUMIのライブでも活用される予定だ。
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