「9歳の少年が作ったゲームセンター」が海外で話題になっている。これだけでも十分にスゴいのだが、話はそこからさらに広がって……。
ロサンゼルスにあるこの小さなゲームセンターは、制作者であるCaine Monroyくんの名前をとって「Caine's Arcade」と呼ばれている。店内にあるゲームはすべてCaine君の手作りだ。Caineくんは夏休みをかけて、父親の経営する自動車パーツ店の一角に、自分だけのゲームセンターを作り上げてしまった。
材料のほとんどは捨てられていた段ボール。足りない部分は創意工夫で補った。射撃ゲーム、バスケットボールゲーム、クレーンゲーム――。プレイ料金は2プレイ1ドル。さらに2ドルで500プレイ分の「ファン・パス」も買えるらしい。
もともと人通りの少ない場所にあったため、オープン当初は誰も訪れなかったが、ある日そこを偶然、映画制作者のNirvin Mullick氏が通りかかったことがCaine君の運命を一変させた。
Nirvin氏はCaine君と父親を取材し、約10分間のドキュメンタリー・フィルムを製作。動画はYouTubeとVimeoに投稿されると、たちまち200万回以上再生される人気となった。Caine君を大学に進学させるための基金まで作られ、こちらはなんと3日間で11万ドル(約890万円)もの資金を集めることに成功したという。
しかし、Caine君にとってもっとも嬉しかったのは、今まで誰も訪れなかったゲームセンターに、動画をきっかけにして大勢のお客さんが押し寄せてきたことだろう。
「Caine's Arcade」が話題になると、Facebookを通じてファンが集まり、「みんなで行ってCaineくんをビックリさせよう!」ということになった。昨年10月に行われたファン集会では、100人以上ものファンが一斉にお店を訪れたという。Caineくんは最初、まさかお客さんだとは思わず、「夢かと思った」と答えたそうだ。
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