着ぐるみの顔と中の人の表情がシンクロする――そんな装置を「インタラクション2012」(日本科学未来館、3月15〜17日)で見てきた。中の人がまばたきすれば、着ぐるみもまばたきし、口を開閉すれば、着ぐるみもまた口をパクパク。いつもはあまり変化のない着ぐるみの表情をちょっとだけ豊かにする。
仕組みはこうだ。中の人は、赤外線の反射率を計測する「フォトリフレクターセンサー」と赤外線発信機を備えたマスクを装着する。赤外線反射率はまばたきで変化するため、その数値を着ぐるみ側に伝えることで、着ぐるみの目を自動で動かせる。同様の仕組みで、口の開閉を伝えるインタフェースもマスクに備わっている。
「着ぐるみ演者の表情表出を支援する顔面入力インタフェース」と名づけ、首都大学東京大学院修士2年の庄司りかさんらが、昨年4月から研究・開発してきた。人によって目鼻のパーツの位置が異なるため、センサーを搭載する場所に悩んだが、数十人の顔の統計をもとに最も平均的な場所に設置したという。今後はほほを膨らませられるようにするなど、さらに表情にバリエーションをつけていく。
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