東京都世田谷区にあるTOTOテクニカルセンターでは、80人の社員が“あるもの”の到着を今か今かと待ち構えていた。そこへ現れた1台のバイク。そう、バイオガスで走るTOTOの「トイレバイク ネオ」が日本横断約1400キロの旅を完走し、11月2日午後2時頃ゴールしたのだ!
歴代の「トイレライダー」と報道陣も見守るなか、トイレバイクが赤じゅうたんの上をゆっくり堂々と走り、ゴールテープを切る。社員が手に持つ「TOTO」の旗が揺れ、意外と感動的(?)な雰囲気だ。やばい、記者の頭の中で「サライ」が流れ始めたぞ……。
ということで、トイレバイクの旅を振り返りながら、ゴールの模様をお届けしよう。
トイレバイクは、トライクと呼ばれる3輪オートバイを改造し、座席にTOTOの超節水便器「TOTO ネオレスト AH3」を組み込んだ。ハンドルには小さな洋式便器が、後方には直径30センチほどの大きなトイレットペーパーロールが付いている。家畜の排せつ物や生活用水を発酵させた「バイオガス」を積んでおり、ガスを満タンにすると約300キロ走行できる。最高速度は70〜80キロだ。
TOTOの環境への取り組みをPRするための宣伝カーで、10月6日に福岡県のTOTO本社を出発。大分県の「おしり岩」や、トイレの神様が祭られている静岡県の明徳時といったトイレにまつわるスポットを巡ったり、TOTOのショールームへ立ち寄ったりしながら、1カ月かけて走ってきた。
ちなみに、歌手のサンプラザ中野くんさんからは応援歌「トイレバイクネオ OH! OH!」も贈られている。
トイレバイクのハンドルを握ったのは、男女6人のトイレライダーたち。頭頂部にうんこが付いたヘルメットをたすき代わりに受け継いだ。最後のライダーはお笑いコンビ「キャベツ確認中」のキャプテン★ザコさん(35)。キャプテン★ザコさんは乗り心地について「3輪なので安定している」と振り返る。
座席(つまり便器)の中にアメ玉を潜ませ、走ってきたトイレバイク。旅で出会った人々には、便器のふたを開けて見せ、中のアメを振る舞ったりした。走行中、トイレバイクの突然の出現に驚く人も。地域の新聞などで告知していたため「頑張って!」と声をかけてくれる人も多かったという。
そういえば走行中にトイレに行きたくなった場合はどうしていたのだろう。「そうですね、バイクにまたがってそのまま……なんてなるわけないじゃないですか! サービスエリアやガソリンスタンドなどで済ませましたよ」と、キャプテン★ザコさんはノリツッコミで話してくれた。
3人目のライダーを務めたお笑い芸人のソドムさん(25)は、「今でも洋式トイレに座ると、走り出すんじゃないかという気持ちに日夜襲われる」とトイレライダーならではの悩みを打ち明けていた。
今後トイレバイクは、TOTOとDAIKEN、YKK AP、ノーリツがコラボして新設したショールーム「石巻コラボレーションショールーム」(宮城県石巻市)に11月5日〜11月6日まで展示する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.