粘土やパン生地などをぐにゅっとつぶす行為はある種の快感やワクワク感を伴う。もしも身の回りのどんな物体でもペタンコにできたら――そんな発想で作られた触覚VRシステム「ペタンコ麺棒」が楽しい。10月20日に始まった「デジタルコンテンツEXPO 2011」(10月22日まで、日本科学未来館)で体験してみた。
ペタンコ麺棒は、特製の麺棒型デバイスでありとあらゆる物をつぶす疑似体験ができる。まずはペタンコにしたい物体をテーブルに乗せ、Kinectで物体の凹凸を読み取る。するとテーブルの上に読み取った物体の画像が表示される。その上に麺棒型デバイスを置き、力を込めて転がしてみよう。
記者はやかんの画像で試してみた。始めは麺棒型デバイスのローラーがつっかえる感じがしたり、手に押し返す圧力を感じたりするが、気にせず続けると抵抗が小さくなっていく。それに合わせてやかんの画像は少しずつ引き伸ばされていき、ついにペタンコに。麺棒型デバイスを転がすゴリゴリした感覚が快感だ(しかも怪力になった気分)。
システムのキモは麺棒型デバイス。Kinectで読み取った物体の凹凸情報と連動して、裏側のローラーを上下させたり、ブレーキをかけたりすることが可能で、この機能によって物体をつぶす感覚を再現している。つぶす物体はテーブルに乗せられるものなら何でもOK。自分の頭をKinectで読み取ってペタンコに――なんてもことも可能だ。
慶応義塾大学環境情報学部 筧康明研究室が開発した。今年10月8〜9日に開催された「第19回 国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト」で総合優勝するなど、評価されている。
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