妊娠中の大変さを体験できるシリアスゲーム「MommyTummy」を、神奈川工科大学が東京ゲームショウ2011(9月15〜18日、千葉県・幕張メッセ)で展示している。だんだん大きくなっていくお腹の重さや赤ちゃんの胎動を妊婦になった気分で味わってみよう。
MommyTummyは、エプロン型の専用ベストを装着して、通常10カ月間ほどの妊娠期間をたった2分で体験する。正面のディスプレイに胎児のCGイラストが映し出されており、胎児の成長に合わせて、ベスト内部の袋にお湯がたまり、膨らんでいく仕組みだ。
「おめでとうございます! あなたはお母さんになります!」という掛け声でゲームは始まる。袋はどんどん大きくなり、4キログラムになった。予想以上に重く感じられ、足元に落ちた物を拾うのもひと苦労。東京ゲームショウの涼しい会場内でも汗をかいてしまうほどだった。お湯は37〜38度で、じんわりと温かい。
お腹が大きくなるだけではないのが、MommyTummyの面白いところ。ベストにバイブレータが組み込まれており、胎児の成長に合わせて心音を感じられる。風船の中の空気を出し入れすることで、胎動と同じような感覚を再現する「胎動ベルト」も付いている。会場ではベルトが故障していて体験できなかったが、神奈川工科大学の小坂崇之助授の説明によると“蹴った感”がしっかりと伝わってくるらしい。
さらには胎児とコミュニケーションも可能。優しくお腹をさすると、ベスト内のタッチセンサーが反応し、画面の中の胎児が両手を上げて喜ぶ。ジャンプしたり激しい動きをすると、加速度センサーが感知して、胎児の機嫌が悪くなり、怪訝そうな顔をする。「妊娠中は安静に」というメッセージが込めているそうで、激しい動きをし過ぎると流産するというエンディングも……。
MummyTummyは、小坂助授がバーチャルリアリティやセンサー技術の研究の一環で作ったもの。妊娠を経験したことがない人にも妊婦の大変さや妊娠の喜びを体感して欲しいとの思いを込めている。MummyTummyは子育て関連のイベントなどで展示して回っているという。男性はもちろん、妊娠に向けて心構えをしておきたい女性は、一度体験してみてはいかがだろうか。
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