5月28日、東京大学の「五月祭」を見に行ってきました。目的はズバリ、EEIC(工学部電子情報工学科・電気電子工学科)が出展しているという、「自作ファミコン」。えっ、ファミコンって自作できるものなの!?
さっそく行ってみると、確かに「スーパーマリオブラザーズ」が動いています。モニタの前にあるのは、何やら見たことのない基板。これ、一体どういう仕組みなんですか?
「FPGA(Field Programmable Gate Array)という、内部のデジタル回路を自由に書き換えできるデバイスがあるんです。本来は企業などがハードを開発する際に使うものなんですが、これを使ってファミコンをそのまま再現しています」
おおお、なるほど。ちなみにこのFPGA、企業向けとあってかなり高価。今回使用しているのはおよそ2〜3年前に発売されたものですが、発売当時は200〜300万近くしていたそう。詳しくはEEIC 坂井・五島研究室の紹介ページをどうぞ。
実際に遊ばせてもらうと、自作コントローラーがちょっと使いにくいのを除けば、普通に「スーパーマリオブラザーズ」が遊べる。実機と比べるとサウンドの再現度がイマイチですが、サウンド関係は特に再現が難しいそうで、ほんの3〜4日前までは「まったく出ていなかった」とのこと。筆者が話を聞いていると、通りかかったほかの学生が「おおっ、音出るようになったんだ!」と驚いていたのが印象的でした。
開発はほぼ1人で行い、現在の形になるまでは約4カ月間かかっているそう。ちなみにカートリッジスロットはなく、ゲーム自体もそのまま回路に書き込んでしまってあるため、遊べるタイトルは今のところ「スーパーマリオブラザーズ」だけとのことです。今後改良されるのかを聞いたところ――。
「私がいま4年生なので、今後改良して展示したりするのは難しいと思います。誰か引き継いでくれる後輩がいれば別ですが……」
あらら残念。うーん、どうせなら完成版も見てみたかったですね。
ちなみにFPGAを使ってファミコンを再現する方法については、こちらの「NES on FPGA」というサイトが詳しく説明しています。これを見て、「僕もファミコンを作りたい!」と思った方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
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