任天堂の岩田聡社長が自社のハードや最新情報を紹介する「Nintendo Direct(ニンテンドー ダイレクト)」が6月4日、北米ロサンゼルスで開催されるE3に先駆けて公開され、Wii Uのコントローラの正式名称を「Wii U GamePad(ゲームパッド)」とすると発表。コントローラの機能の一部を紹介するとともに、SNS的な機能を有することを明らかにした。
任天堂は6月6日午前1時より、E3で行うプレゼンテーションを予定しているが、今回のニンテンドー ダイレクトはその予習にあたる。岩田社長はまずリビングで一緒に居ても、それぞれが別のことをしているという“Alone Together”について紹介し、その問題を解決できるデバイスこそWii Uのコントローラだと切りだした。
放送では、Wii Uのコントローラ名が「Wii U GamePad(ゲームパッド)」になったことや、昨年のWii U発表後のフィードバックを反映して、スライドパッドからアナログスティックに変更したことを発表した。アナログスティックに変更したことで押し込み操作も可能となり、現在発売されているゲームが必要とするすべての操作を実現した。
また、新たにNFC(Near Field Communication)のリーダー・ライターを搭載したことで、カードやフィギュアを読み取ることも可能となった。実際のフィギュアなどを収集す、それをかざすとゲーム中にキャラクターやデータが反映されるといった場面が想像できる。
TVコントロールボタンも搭載され、Wii U GamePadをテレビの赤外線リモコンとして使うことも可能だ。モーションセンサーやジャイロセンサーも搭載しているほか、従来のコントローラが持つ機能はほぼ入れ込んだ。
Wii Uには従来のコントローラに慣れている方向けに、デザインを踏襲したワイヤレス周辺機器として「Wii U PRO コントローラー」の発売も予定している。Wii Uでは、1億9000万本以上普及しているWii対応のコントローラーで遊ぶこともできるとも。
放送ではWii Uのひとつの使い方としてムービーを上映。プレイヤーがゲームプレイに行き詰まった際、助言を求めることができるSNS的な機能を紹介した。ここでは攻略方法を参考にしたり、ビデオチャットで情報交換したり、ゲーム中断時のスクリーンショットを共有することもできる。
任天堂ではこうしたコミュニケーションの仕組みをMiiとUniverseを融合して「Miiverse」と表現している。その名称が表すように、Wii Uのメニュー画面起動時の画面では、ゲームを遊んでいるプレイヤーのMiiが登場し、自分の持っていないゲームも含めアイコンで表示されたゲームについてのコメントを表示する。どのゲームが盛り上がっているかなども一目瞭然というわけだ。任天堂では開発時から“Mii わらわら”と呼んでいたように、Miiがわらわらとゲームアイコンの周囲に群がっていく。
Miiverseはゲームを終了しなくても呼び出すことができ、タッチスクリーンでコメントを入力することも可能だ。すべてのWii Uソフトに対応する予定で、対戦や協力以外にもコミュニケーションに利用してほしいという意図がある。将来的にはニンテンドー3DSやスマートフォン、PCブラウザなどからでも利用できるようにしたいとのこと。
岩田社長はプレゼンテーションの最後で、宮本茂氏の「複数の問題を一度に解決できるのが、真のアイデアと呼べるもの」との言葉を反芻し、Wii U GamePadこそ、それに応えるアイデアであると提案した。“Alone Together”を解消するゲームハードとなれるのか。さらなる詳細についてはE3でのカンファレンスを待ちたいと思う。
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