人の手や指の動きは、しばしば目や口よりも雄弁にモノを語ることがある。「インタラクション2012」に出展された「Pygmy:指輪型擬人化デバイス」は、そんな「手の表現力」に注目し、「手を生き物にする」ことを目的とした研究だ。
手を生き物にする? なんだか壮大なテーマを感じて、わくわくしながらブースを訪れてみたら、やっていることは思いのほか単純だった。
Pygmyは指にはめて使用する、指輪のようなデバイスだ。3個1セットで、2個は目、1個が口の形をしている。コントローラとは無線でつながっており、ボタンを押すと瞬きしたり、口をぱくぱく開けたりする。それ以上の機能は何もない。
本当に何の役にも立たなそうなデバイスだが、どの指にどのパーツを装着するかによって、いろんな生き物に変化するなど、不思議な面白さがある。例えるなら、パペット(手人形)の進化版といったところだろうか。現在はコントローラ制御だが、これでファービーのように自律的に動くようになったら、また違った可能性が見えてきそうだ。
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