中国のアプリメーカー「淘米(タオミー)」がiPhone向けにリリースした「Mole Kart(モールカート)」というレースゲームが、あまりにも任天堂の「マリオカート」に酷似していると話題になっています。
これまでにも「マリオカート」に類似したゲームはありましたが、今回のはそんなレベルじゃないくらい酷い。具体的にどれくらい酷いかというと、YouTubeに投稿されたプロモーション映像がNintendo of Americaに消されるくらい酷い。一応、この手の類似ゲームのお約束にのっとり、本作もキャラクターやアイテムなどは別モノに差し替えてあるのですが、それでもなお著作権侵害認定されるというのはなかなかないことです。
アプリは現在、App Storeにて250円で配信中だが、ゲームシステムはまさに「マリオカート」そのもの。しかし、それだけならまだ「似てしまった」で済まされるかもしれませんが、このゲームが悪質なのは、コースレイアウトまで完全に「マリオカート」をコピーしているところです。
初期状態では2つのコースが遊べますが、1コース目は「マリオカートWii」の「モーモーカントリー」そのまま。2コース目も「キノコキャニオン」とまったく同じコースレイアウトとなっています。ニコニコ動画には、プロモーション映像から両作品のコースレイアウトを比較した動画が投稿されていますが、これを見るとコースマップが完全に一致していることが分かります。そのほか、YouTubeには「キノコキャニオン」そっくりコースのプレイ動画も。
また出現するアイテムも、無敵アイテムがスターから「ラッキーコイン」に変わっていたり、墨で敵の視界をふさぐゲッソーが、木の葉で視界をふさぐ「リーフモンスター」に変わっていたりするだけで、効果はすべて「マリオカートWii」と同じ。いくらなんでもこれは「似てしまった」では済まされないレベルでしょう。
一方で、本家「マリオカート」とまったく違うのがその操作性です。ハンドル操作はジャイロ、バーチャルパッドどちらでも可能ですが、どちらを選んでも微妙なコントロールはほぼ不可能に近く、イージーモード(50cc相当?)でさえろくにカーブを曲がれないという有様。またコースは全7種類ですが、うち3コースは各85円の追加ダウンロード形式。コース選択画面を見る限りでは、残りのコースも「GBAクッパキャッスル」、「64シャーベットランド」、「DSピーチガーデン」といったコースがモデルになっているようでした。
ちなみにこの淘米という会社、海外サイトのリポートによると、実に1億8000万人(2011年5月時点)ものユーザー数を抱える、中国では最大手のSNS会社のひとつなのだとか。うーん、なんとも考えさせられてしまいますが、ぜひ任天堂には毅然とした態度で対応にあたっていただきたいところです。
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