ゲームに没頭しすぎるあまり、ゲーム内のルールやできごとを現実世界に持ち込んでしまったことはありませんか?
ノッティンガム・トレント大学およびストックホルム大学の研究チームが先日、こうした現象について調査を行ったところ、ほぼ全員が、何らかの形で「体験したことがある」と回答。同チームはこの現象を「ゲーム・トランスファー現象(Game Transfer Phenomena)」と名付け、近く学会誌にて詳しい調査結果を公表する予定とのことです。
「ゲーム・トランスファー現象」の一例としては、例えば「群衆の中で誰かを探すとき、つい検索ボタンを押したくなってしまう」、「人々の頭上に体力バーが見える」、「コントローラのボタンを反射的に押そうとしてしまう」といったものがあるそう。今回の調査は15〜21歳のゲーマー42人を対象に行ったものですが、同チームでは今後、さらに調査対象を広げてより本格的な調査を行っていくとしています。
筆者もある時期、「テトリス」に熱中するあまり、遠くに見えるビル群のスキマにブロックをハメ込みたくなったり、「桃太郎電鉄」を遊んだ後で買い物に出かけて、財布に500円しか入っていないのに愕然としたりしましたが、これも一種の「ゲーム・トランスファー現象」のひとつなのかもしれません。ネット上では、「絵を描いてて失敗するとCtrl+Zを押したくなるよね」とか、「女の子としゃべる時はフラグを意識してしまう」といった、独自の「ゲーム・トランスファー現象」体験も寄せられています。より詳しく知りたい方は、サイト(PDF)にて全文が公開されていますので、ぜひ目を通してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、内容が内容だけに「ゲームと現実の区別が付かなくなるということ?」と心配する人もいそうですが、同研究チームではその後、「Gamers can't tell real world from fantasy, say researchers(ゲーマーは現実とファンタジーの区別がつかなくなる)」という見出しをつけた「Metro.co.uk」に対し、「正確な見出しではない」とこれを非難しています。混同されがちですが、「ゲーム・トランスファー現象」と「ゲームと現実の区別が付かなくなること」を結びつけて考えるにはまだ早計ということのようですね。
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