人はなぜゲームにハマルるのかを、プレイ動画や画面写真を見ながら楽しくかつまじめに考える当コラム。今回はプレイヤーがゲーム中に発見するとついつい嬉しくなってしまう、ユニークなボーナス得点のシステムを取り上げてみたいと思います。
定番のボーナス獲得方法から、「よくぞ開発者はこんなアイデアを思いついたな!」などと思わずうなってしまう独創的なシステムまで、今回も筆者の独断と偏見でいろいろなムービーや画面写真をたくさんご用意しました。最後までどうぞごゆっくりお楽しみください!
主にシューティングやアクションゲームにおいて、特定の敵編隊をすべて倒したときに全滅ボーナスが加算されるシステムを取り入れたタイトルは古来から数多く存在します。以前の当コラムでも指摘したように、このようなボーナスを導入することによって、特にアーケードゲームでは一定のスコアに到達するごとにエクステンド(※主人公のストックや制限時間が増えること)となる作品が非常に多いことから、プレイヤーはボーナスを狙ってやろうとついついゲームに熱中してしまいます。そんな仕掛けを作ったことによって、多くのプレイヤーがハマッて100円玉を次々に投入してくれるようになってくれれば、開発者としてもまさに「してやったり!」といったところでしょう。
ステージの最後に登場するボスキャラクターとの戦いにおいては、砲台やパーツなどをすべて破壊してから本体を倒すと破壊率100パーセント、すなわち全滅を達成したことによるボーナスが入るルールを採用した作品も少なくありません。
その代表例は、カプコンが1987年に発売したアーケード用シューティングゲームの「1943」になるでしょう。本作ではボスの軍艦や戦闘機の破壊率(または撃墜率)が高いほどボーナスもアップ仕組みになっていますので、得点を稼ぐためにはコックピット以外にも周辺にある砲台やカタパルトなども残さずに破壊することが必要です。
また、1998年にトレジャーが発売したアーケード用シューティングゲーム「レイディアントシルバーガン」でも、破壊率100パーセントを達成してクリアすると各ボスごとに固有のパーフェクトボーナスを獲得することができます。
このような全滅ボーナスのシステムは、実はシューティング以外のジャンルにおいても見ることができます。
その中でも筆者が特に面白いと思うのは、1992年にナムコ(現:バンダイナムコゲームス)がアーケードゲームとして発売した落ち物パズルゲームの「コズモギャング・ザ・パズル」。本作は画面上から落ちてくるブロック(コンテナと敵キャラのコズモ)をフィールド上に積み、コンテナは横一列に並べてラインを作ることで、コズモはときどき落ちてくるボールをぶつけて消すと得点が入るというルールになっています。
コンテナおよびコズモは一度にまとめてたくさん消すと高得点となり、なおかつ画面内のコズモを1回のボール攻撃で全滅させると得点が2倍になるボーナスが存在します(※)。さらに、コンテナとコズモの両方を同時にすべて消去すること(通称:「全消し」)に成功すると、ファンファーレが鳴って特別ボーナスが加算されるご褒美も用意されています。たとえ偶然できた場合であっても、これらのボーナスの獲得に成功したときには本当に嬉しくなりますよね!
ここからは、ゲーム開発者の斬新なアイデアが光る面白いボーナス得点の例を紹介していくことにします。
まず最初に、ボーナスを稼ぐための「裏技」としてはビデオゲーム史上最古の部類に入るかと思われる、タイトーが1978年に発売した「スペースインベーダー」から見てみましょう。本作では、ときどき出現する敵のUFOを破壊すると50〜300点のボーナスがランダムで加算されるようになって……いるのですが、実は最高得点の300点を100パーセント出すことができる、まるで錬金術のようなマル秘テクニックが存在するのです。
その秘密とは、ステージ開始から自機が何回目に撃ったビーム砲なのかでUFOの得点が決まるというもの。毎回ゲームがスタートしてから23発目、それ以降は15発目ごとに撃ったビーム砲でUFOを破壊すれば、必ず300点が取れるという仕掛けが隠されているのです。デモ画面では得点が「MYSTERY」と紹介されていることもあって、いかにも不思議な存在という印象をプレイヤーに与えるUFOですが、そのタネを明かせばれっきとした法則があったというわけですね。
お若い読者のみなさんには正直ピンとこないかもしれませんが、筆者が少年時代にこの事実を初めて目の当たりにしたときには、誇張なしで本当に鳥肌が立つほど驚きました。それにしても、この法則に最初に気付いた人の眼力は(どなたかは存じませんが…)本当に素晴らしいと思いますが、みなさんはどう思われますか?
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