以前からiPhoneユーザーの間では話題になっていた、Epic Gamesの「Infinity Blade」がApp Storeに登場しました。価格は700円で、iPhone/iPadの両方でプレイ可能なユニバーサルアプリとなっています。
家庭用ゲームでもおなじみの3Dゲームエンジン「Unreal Engine 3」を、携帯ゲームでははじめて採用。従来の「携帯ゲーム」の概念を根本から覆す、美しい3Dグラフィックが最大の特徴となっています。
「Unreal Engine 3」の高いポテンシャルについては、以前リリースされた「Epic Citadel」という箱庭アプリが証明済みでしたが、本格的なゲーム作品に採用されたのはこの「Infinity Blade」が初。ゲーム内容は「剣神ドラゴンクエスト」風のアクションゲームで、タッチやフリックで剣を振り、目の前に立ちはだかる敵たちと戦っていきます。
攻撃は主にフリックで行いますが、ただ漠然と剣を振っていてもダメ。盾で敵の攻撃を防御する「ブロック」、体をかがめて回避する「ドッジ」、剣で受け流す「パリィ」などを駆使してまずは敵の体勢を崩し、その後に強力な連続攻撃を叩き込む――というのがセオリーです。防御→反撃への流れが気持ちよく、回避や受け流しやキレイに決まった時は思わず「してやったり!」な気分になれますね。
敵の攻撃パターンはそれほど多くなく、防御や回避のタイミングも比較的ユルめなので、アクションが苦手な人でもご安心を。そのほか、ゲージが溜まると使用可能な「スペシャルアタック」や、指で特定の図形を描くことで発動する「魔法」、また敵を倒して得たお金や経験値で装備やステータスを強化していくRPG要素もあります。
グラフィックはiPhone4のRetinaディスプレイに最適化されており、960×640ドットの高解像度でもキビキビと動いてくれます。床面への映り込みをはじめ光や影の処理も非常にリアルで、少なくとも映像面では完全に「携帯ゲーム」のレベルを越えている印象を受けました。一見ムービーかと思えるようなシーンもありますが、正真正銘すべてリアルタイムでレンダリングされているというから驚きです。
いきなり主人公が殺され、その息子が敵を討ちにキングの城を訪れる――という「俺の屍を越えてゆけ」的展開も個人的にツボ。全体的にフレームレートがちょっと低めなのと(見た感じ平均15〜20fpsくらい)、「Epic Citadel」のようにフィールドを自由に歩き回れない点がちょっと残念ですが、確かにこのグラフィックは一度体験しておく価値があると思います。
以前から「携帯ゲーム機」としての側面を強く打ち出してきていたiPhoneですが、「Unreal Engine 3」の登場で今後はさらに「ゲーム機」化が加熱していくのではないでしょうか。今後どんなゲームが登場するのか、楽しみに見守っていきたいところです。
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