家庭用ゲームの「追加課金」制はアリか、ナシか――。ゲームファンたちの間で今、そんな議論が交わされています。
議論の火種となったのは、日経新聞のインタビューに載った、バンダイナムコホールディングス社長・石川祝男氏の一言でした。石川社長はインタビューの中で、ゲームのパッケージ販売が縮小してきていることに対し「1本6000円、7000円のゲームソフトを一回限りで売るだけではだめだ」と答えるとともに、パッケージ自体は無料もしくは低価格で提供し、ネット経由でアイテムやコンテンツを追加販売していくといった「きめ細かな課金もあり得る」と言及。この発言が各所の掲示板やニュースブログなどに掲載され、大きな話題となりました。
石川社長も触れているとおり、最近のゲームでは「パッケージを売っておしまい」ではなく、後日追加のマップやシナリオ、キャラクターなどを有料で販売する「追加課金」を取り入れるものが増えてきています。バンダイナムコゲームスも早くから「アイドルマスター」シリーズや「テイルズ オブ ヴェスペリア」などのタイトルで積極的に導入しており、特にXbox 360の「アイドルマスター」は発売当時、日本でしか販売されていないにもかかわらず、ダウンロードコンテンツの売上総額で世界第三位に輝くなどの大成功を収めたことで有名。詳細な売上総額については不明ですが、2008年時点での売上総額は3億円以上とも発表されており、石川社長が追加課金制に興味を示すのも当然のことかもしれません。
またバンダイナムコゲームス以外で例を挙げると、例えばソニー・コンピュータエンタテインメントの「白騎士物語 -光と闇の覚醒-」も「アイテム課金」制の採用で大きな話題を呼んだタイトルのひとつ。課金アイテムの価格は100円から1200円まで様々で、PlayStation Storeにて購入することで、獲得経験値のアップや、アバターの見た目変更など様々な特典を得ることが可能となっています。PCのオンラインゲームや携帯電話用ゲームなどではこうした「アイテムによる課金」が今や主流となっていますが、家庭用のオンラインゲームでここまで本格的なアイテム課金制を採用したのはおそらく本作がはじめてでしょう。
こうした「追加課金」制には、客単価のアップをはじめ、ソフトの寿命を延ばし、中古市場に出回るのを防ぐなど様々なメリットがありますし、何よりそのゲームのファンにとっては、ゲームをより楽しめる追加コンテンツの発売が嬉しくないわけがありません。しかし一方で、一部では「追加コンテンツを買わなければそのゲームを100%楽しめないのでは」「未完成なものを売られているようでいい気分はしない」といった声もあり、必ずしもすべてのユーザーが追加課金制に賛同しているわけではないようです。近年の動向を見る限り、今後こうした「追加課金」制を取り入れていくゲームはさらに増えていくものと思われますが、みなさんは家庭用ゲームの「追加課金」についてどのように考えますか?
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