アメリカのゲーム業界団体「Entertainment Software Association(ESA)」が行った調査によると、全世界で行われたゲームソフトの不正ダウンロード件数は、昨年12月だけでなんと978万件にものぼったとのことです。
ESAの調査は、特に不正ダウンロード被害が大きい200タイトルを対象に行われたもので、実際の不正ダウンロード件数はこれよりはるかに多くなるとのこと。また国別のダウンロード件数では、イタリアがもっとも多く全体の20.3%を占め、次いでスペイン(12.5%)、フランス(7.5%)、ブラジル(6%)、中国(5.7%)の順となったそうです。
もともとイタリアやスペインなどは「不正ダウンロード大国」として有名で、今回の調査であらためてそれが浮き彫りになったと言えます。以前、任天堂が海外のマジコン裁判で立て続けに敗北を喫したことをお伝えしました(マジコンは合法? スペインのマジコン訴訟で任天堂がまさかの敗北)が、このとき争っていたのもちょうどイタリア、スペイン、フランスの3国。不正ダウンロード大国であることと裁判の結果は無関係だと思いますが、根底にはやはり著作権に対する根本的な意識の薄さのようなものはあるのかもしれません。
つい先日も、Wiiの「NewスーパーマリオブラザーズWii」を違法にアップロードしたオーストラリア人男性に150万ドル(約1億3000万円)の賠償金支払いが命じられたばかり(「マリオ」違法アップロードの男性に約1億3000万円の損害賠償)ですが、不正ダウンロードの被害は年々深刻化が進んでおり、今後も終わりのないいたちごっこは続いていくことになりそうです。
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