予告でも使われた、"What kind of American are you?" は、本編でも怖かった。
好みだったところ
画面
動画のどこを切っても、静止画ポスターとして成立するような、ライティング、構成、グレーディングになっているところ。ワンシーンワンシーンが、とても見やすい。これは、主人公がカメラマンだから、そう意識して撮ったのかなあ。
演技
みんなリアリティのある演技をしていたとおもう。棒読みだねえ、というような意味で萎えることはなかった。
好みでなかったところ:
誰の話か、わかりづらいところ。
リーかジェシーか、どちらの話かすっきりさせるとわかりやすいのでは?
ドキュメンタリーっぽく作っているけど、手ブレカメラをつかったモキュメンタリーという感じではない。ロードムービーっぽく作っているのもわかるが、途中のエピソードの中には、本当に絶対必要だったの? というのは疑問が残った。
リアリティラインがわかりづらいところ。
カリフォルニアとテキサスが同盟を組んでいるとか、大統領が3期目とか、ありえない設定ということで、冒頭からファンタシーと言い切っているのはわかる。
しかし、衣装がキレイすぎる。
内戦が続いているとすると、グローバルサプライチェーンも途絶えているはず。ライフラインも寸断されるんじゃない? 少なくとも、みんなの服装は薄汚れた感じになるんじゃないかなあ。
このあたりは、アニメだといいんだけど、実写だと説得力にかけるような。
ということで、撮影と演技はいいけど、脚本と演出が好みではない、という感じ。
勉強になったところ:
空軍州兵
州単位で戦闘機などの空軍がいること。ファンタシーじゃなくて、本当にいるんだね。
評判は日本ではあまりよくないが、米国ではそれなりによかった、という差:
上記予告編をみると、ブロックバスター映画っぽいけれど、もっとアート系単館系なんですよ。ブロックバスター系を期待して見に行った日本では、期待が裏切られてがっかり、というのはわかる。
米国人だと、Blue/Red Stateという感覚や、銃社会の感覚は、当事者性としてリアリティをもって読解できるものなんだろう、という気がする。
読解フレームワークという言葉を知ったこと
この解釈/読解のフレームワークのことを、"Interpretive Framework" というらしいことも勉強になった。
これを知ると、ハリウッドブロックバスター映画では、言葉ではなく映像で身体性を強めに見せて、世界中の人に前提知識なしでもわかってもらえるようなフレームワークで映画がつくられているとか、日本映画の予告では「泣けますよ」=泣きに来てくださいという解釈まで提供して客引きをしているとかわかって、ちょっと面白かった。
映画の作り方でいうと、個人的には1990年発売のこれが一番おもしろく、わかりやすいとおもっている。
読解というよりも、読解させるための映画作りの方法論なんだけど、おもしろいから図書館で読んでみて。(でかいので、あんまり自宅に置くには適していない)