Netflixのドラマ「ハートストッパー」、シーズン3まで一気見しました!
イギリスの男子校に通う高校生2人のラブロマンスがメインですが、個性豊かな友達やクラスメイト、家族、先生などのストーリーも含めてすごく良かったです。原作コミックは未読ですが、原作のイラストを基にしたアニメーションの演出などもあり、視覚的にも楽しかったです。

https://x.com/NetflixJP/status/1516582923268464642
(以下、ネタバレを含むのでご注意)
良かったポイントはいっぱいあるのですが、特に印象に残ったのが、主人公たちが、さまざまな他者と出会い、さまざまな経験を重ねながら性的指向やジェンダーアイデンティティを確立させたり、揺らいだり、新しい用語や概念と出会ったり、それらをじっくり時間をかけて受容したり、あるいは誰かに受け止めてもらったり……というプロセスがしっかりと丁寧に描かれていたことでした。
バイセクシュアル、トランスジェンダー、レズビアン、ゲイ、ノンバイナリー、アセクシュアル、アロマンティックなどなどいろんな性のあり方のキャラクターが出てきて、いちいち用語や概念についての分かりやすい「解説」が挟まれるわけではなくて、でもしっかり丁寧に描写はなされるので、これは視聴者への信頼があって作られている……というか、きっとクィアの視聴者のために作られた作品なんだろうなあ、と思いました。こういう作品はまだまだ数少ないので、もっともっと作られてほしい。
ただこれって、裏を返すと、「性的指向とかジェンダーアイデンティティとかいまいちよくわかってない……」ってひとからすると、少し置いてけぼりをくらうかもしれません。でも、それでもいいからぜひ見てほしいです。まずは物語を楽しんで、それから調べたり知ったりするのでもぜんぜん遅くないのではないでしょうか。
それから、「ハートストッパー」で思い出すことといえば、2022年頃、メインキャラクターの1人であるニックを演じる俳優キット・コナーのセクシュアリティを詮索するという一部の行き過ぎたファンの行動によって、キットがカミングアウトを強要されてしまうという残念な事件がありました。クィアベイティングを批判する気持ちは分かりますが、キットは当時まだ18歳でした。上述したように、セクシュアリティは確立したり揺らいだり受け止めるのに時間がかかったりするものなのだということは、ドラマ内でもしっかり描かれていただけに、このような事件が起きてしまったことは本当に悲しいです。
また、個人的には、シーズン3でメンタルヘルスについて向き合う展開があったのもすごく良かったと思いました。社会的・制度的な差別や偏見、不寛容、いじめ、プレッシャーなどに晒されて、メンタルヘルスを崩すクィアは少なくないと思います。周囲のひとびとに支えられながら、専門家の助言を受けながら、医療機関に繋がり治療を進めていく様子が描かれたのはとっても意義深いことだと思いました。
メンタルヘルスの治療って、一筋縄ではいかないことばかりですが、だからこそ周囲のひとびとや専門家の助けや支えが大きな力になるのだと思います。「ハートストッパー」では、その模様がしっかりと描かれていると思います。熱い友情と、たくさんの気遣いと、専門家による助言がいかに重要で、いかにひとを救うのか。
シーズン4以降の制作はどうなるのか、まだ情報は出ていないようですが、ゆっくり気長に待とうと思います。楽しみがひとつ増えました。