「そんなことをする人だとは思わなかった」−−。テレビの報道番組で、凶行に及ぶ前の犯人を知る近隣住民がよく言うセリフだが、人は見掛けによらないものである。巷では、自分の子供と犯罪者との区別ができないオレオレ詐欺の被害者が年々増加するように、人の印象はあまり当てにならない。コントで見るような唐草模様の風呂敷を背負い、ほっかむり姿の泥棒など現実世界には存在せず、善良な一般市民と犯罪者とを分つ境界線は曖