トップとの競り合いに価値あり 世界記録保持者になったとはいえ、北島の発言は慎重だった。ライバルがおらず、プレッシャーもない大会で出した記録だったからだ。 「僕が出した記録は、それまでの世界記録を0秒19だけ更新したもの。この前の世界選手権でメダルを獲った選手はもちろん、トップ選手はみんな『北島が出したんだから俺にも出せる記録だ』、と思ってるんじゃないですか」 トップ選手と競り合う中で出した記録こそが