アリ・アスター監督の作品には、彼自身の「不安症」がよく表れている。その最たる例が『ボーはおそれている』だろう。同作では、主人公ボーの内面に巣食う恐怖や妄想が、現実と地続きのかたちで過剰に増幅され、観客の前に可視化されていく。 かつてアリ・アスターは、自身にとって脚本執筆はセラピーのようなものだと語ったことがあった。書くうち、自分の中の不安を解消できるのだと。 彼にとっ