東京ドームに鎮魂の碑があることをご存知だろうか。そこには、戦没した野球選手の名が刻まれている。昭和11年2月のプロリーグ発足とほぼ同時に日本は戦争へとなだれ込み、野球界もその戦禍に巻き込まれていったのだ。戦地では手柄を立てる者がいる一方、病死する者や飢餓に苦しむ者、特攻に志願する者など、人生の数だけ戦争の記憶があり、幾多の悲劇がある。プロ野球の草創期は、まさに戦争の歴史そのものといっても過言ではな