小説家の柴崎友香さんの本が、なぜ医学書の専門出版社から?と思った人は多いのではないだろうか。大人になってからADHDの診断を受けるという、著者自身の経験がテーマになったエッセイである。帯に書いてある「他人は自分と感覚が違う。世界を認識する仕方が違う」という一文に目が止まった。他人の感覚は、体験することができない。自分との違いを説明するのって、すごく難しいのではないか。小説家である著者は、それをどのよ