「食」は、人間が生きる楽しみのひとつ。それは高齢者や要介護者にとっても同じことだ。広島県の試験研究機関が2002年に特許出願した、料理の見た目はそのままで、歯がなくても歯茎や舌で潰せる柔らかさに加工する技術「凍結含浸法」は今、多くの料理に採用されている。開発までの経緯と進化のプロセスを家庭問題に詳しいノンフィクションライターの旦木瑞穂さんが取材した――。写真提供=広島県広島県立総合技術研究所食品工業