現在の日本は、雇用改善と実質賃金下落が両立するという奇妙な状況にある。2017年9月の完全失業率は2.8%、有効求人倍率は1.52倍。共に主要先進国の中で「最高」の水準だ。実は現在の日本の雇用環境は、先進国で最もよいのである。それにも関わらず、実質賃金は下落が続いている。'17年9月(速報値)の日本国民の実質賃金は、現金給与総額で対前年比▲0.1%、決まって支給する給与は▲0.3%。恐ろしいことに、日本の実質賃金