プロデューサー(P) 2011年ごろのことです。その頃僕は大きな仕事が終わったばっかりで、ちょっと抜け殻みたいになっていたんですよね。そこで「プリキュアオールスターズ3Dシアター」を見たら……こういうことができるんだ! ダンスって面白いなと思ったんです。それで「3Dシアター」の打ち上げに潜り込んで…… 宮原直樹(宮原) 全然関係ないのに打ち上げにいて、「あっはっは!」ってでっかい声で笑いながらお酒飲んでましたよね。なんかうさんくさいのがいるなと。 P あっはっは。「宮原さん、長編を作る気はないですか? ショーとしてのダンスじゃなく、ストーリーテリングにダンスが含まれているものが見たいです」と聞きました。 宮原 「うーん……じゃあ、世界救いましょうか」! P 「救いましょう」!
──??? なんかBLのエピソードを聞いてるようなんですが(震え声)……
宮原 (聞いてない)そこから、「ダンスで世界を救うためにはどうすればいい?」という思いつきにストーリーを肉付けしていった。 P 思いつきじゃなくて発想ね。そこについてはまだお話ができないことも多いんですが……宮原さん、本当にダンスで世界を救えるんですか? 宮原 救いますよ!! 重くて難しい話にはしたくない、楽しく気持ちよいエンターテイメントになります!
■「キャラクターデザイン:黒星紅白」の謎
──キャラクターデザインに黒星紅白さん起用したのはどうしてですか?
P 企画の段階では、監督が自分でイラストを描いていましたよね。 宮原 自分で描くつもりだったんです。でもプロデューサーに「ダサいですね!」って言われました。 P 「ダサい」とは言ってません。 宮原 言ったでしょ。 P 「古い」って言ったんです。 宮原 同じでしょう!(笑)。なんにせよ却下されてしまったので、僕以外で考えなきゃいけない。一番最初に頭に浮かんだのが、黒星さんの絵。 P 見せてもらって、これはいいなと。実は個人的にもファンだったんです。 宮原 とにかくうまい。黒星さんの絵って、東映アニメの伝統的なキャラクターに通じるようなクラシカルなニュアンスもあって、ちょっとエロティックなところもあるんですけど、絶対的な清潔感が残っている。黒星さんに断られたらこの企画も「ない」と思った。 P 伝手も何もなかったので、監督と2人で真正面から黒星さんに会いに行きました。初対面のとき実は……(ライター注*このあたりで衝撃のエピソードをいただいたが、いまは時期尚早ということなので、待っててください)。タイミングがちょうどよかった。黒星さんも「3Dシアター」を見ていて、好きだと思っていてくれた。無事に引き受けてもらうことができました。
宮原 今回は全部外しています。 P 隠し撮りと思っていただいて結構です!(笑) 宮原 最近の女性アイドルやユニットもののPVって、「女の子と女の子の関係を覗かせてもらっている」みたいなところがありますよね。そこにはアニメからの影響もあると思うんですけど、逆に、アニメを作っている人が影響を受けることもあって、一周してる感じも……(以降、Pと宮原監督がアイドルの推しについて語り合いますが、また別の機会に)。そういえば、黒星さんにはキャラクターイメージを実在のアイドルで説明したんだけど、ぜんぜんわかってもらえなかったなあ。 P ……あっ、でもこの子たち、アイドルを目指しているわけではないんですよ。 宮原 そうそう、これはアイドルものではないし、アイドルになりたいと思っている子でもありません。
──(アイドルじゃないならじゃあなんなんだよ!?)も、もっと情報をください!
P 今日はこの絵だけで。これから少しずつお見せできるものも増えると思いますのでまたインタビューに来てください。