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平成18年に経済産業省が、「社会人基礎力」というものを定義しました。この社会人基礎力は3つの能力、12の能力要素から構成されています。能力の基礎は小学校から始まる教育の場で培われたもので、社会人となった際には、どのように活用するかを新人研修やOJTで学び、以後は、自分の力で考えていきます。
本来の生きる姿勢として、この「自分の力で」という要素が重要ですが、それに気づいている人間は少ないかもしれません。社会人となり、束縛から解放された自由感で気が緩み、そのまま時間が何年も経過するという場合もあるでしょう。
柳井さんが愛読しているピーター・ドラッカーの本には、「成果を上げている人と上げていない人の差は、才能ではない。成果を挙げるかどうかは、いくつかの習慣的な姿勢と、いくつかの基礎的な方法を身につけているかどうかの問題である」と書かれています。
25歳までは横に広がる知識や能力を他者から学び、それ以降は、自分の能力を見極めてそれを伸ばすために磨きをかけ、自分の専門性を見つけて深めていく。それは、自分の強みへと成長させていくことであり、柳井さんの発言の真意には、それが「真の成長である」というメッセージが込められているのかもしれません。
【自念 真千子:産業カウンセラー】
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