今回、フェッリ氏はスーパーマンのTシャツに2つのメッセージを入れていた。一つは、「ファベーラスの子供たちを守れ」。ブラジルのスラム街の子供たちへのメッセージだ。そしてもう一つは、「チーロは生きている」。5月3日のコッパ・イタリア決勝前にローマでのトラブルの中で撃たれ、6月25日に亡くなったチーロ・エスポジトさんのことだ。
フェッリ氏は『Radio 2』で次のように話している。
「私はW杯の決勝トーナメントに残った唯一のイタリア人だ。前には50人の警官がいる。みんな親切だよ。電話に出るのに、彼らには母からの連絡だと言ったんだ」
「どうやってピッチに入ったか? フォトグラファーとしての入場許可を取っていたんだ。イタリアの新聞向けに、ファベーラスのフォトルポルタージュをやっていて、それで許可を取っていたんだよ。Tシャツを脱いで、スーパーマンのTシャツになったときに、スチュワードからよく見られなかった。それからピッチに入ったんだ。オランダ対コスタリカの試合でも、身体の不自由な人用の席を取ってある。また4日後もピッチに入ることができたら、最高だろうね」
フェッリ氏が頻繁に同様のエピソードで話題になっていることを考えれば、驚くべきことだ。2011年には刑務所入りを命じられ、2018年までのスタジアム入場禁止処分も受けている。ピッチ乱入はもうやらないと約束していたフェッリ氏は、「オオカミは毛が抜けても、その本性は抜けないのさ」とコメントした。
フェッリ氏は2010年南アフリカW杯で、準決勝のドイツ対スペイン戦でピッチに乱入。2009年11月のイタリア対オランダのフレンドリーマッチでも、当時のマルチェッロ・リッピ監督に“友人”であるFWアントニオ・カッサーノの招集を助言するためにピッチに入った。その数カ月後のサンプドリア対ナポリの試合では、ピッチでアイドルであるカッサーノと抱き合っている。
その数カ月後には、チャンピオンズリーグ(CL)のレアル・マドリー対ミラン戦、アブダビでのクラブW杯のインテル対マゼンベ戦、さらにウェンブリーでのCL決勝、バルセロナ対マンチェスター・ユナイテッド戦でもピッチに乱入している。
フェッリ氏は現在27歳。Tシャツにいくつかの商標があったことは、彼のブラジル行きにスポンサーがいたことを示している。