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ダイヤモンド・オンライン
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捕手が13回(全ポジションの32.5%)と群を抜いている。
海の向こうのメジャーリーグは、さらに傾向が顕著である。選手会のストライキで、ワールドシリーズが中止されたのは、1994年。その翌年からの19年間を調べてみると、捕手出身監督が10回(全ポジションの52.6%)もワールドチャンピオンになっている。
ジョー・トーリ(ヤンキース)が4回。ジム・リーランド(マーリンズ)、ボブ・ブレンリー(ダイヤモンドバックス)、マイク・ソーシア(エンゼルス)、ジャック・マッキーン(マーリンズ)、ジョー・ジラルディ(ヤンキース)、ブルース・ボウチー(ジャイアンツ)が、それぞれ1回。
日米ともに捕手出身監督が頂点に立っているのである。
日本一6回を誇る森が、日本球界に別れを告げ、終の棲家に定めたのは、日本とアメリカの中間にあるハワイ。ホノルルのコンドミニアムを取材で訪ねると、目の前がコバルトブルーの海。リビングルームの窓際に立つと、右手がパールハーバー(真珠湾)、左手がダイヤモンドヘッド(標高232メートル)。180度のパノラマだった。
森が捕手の強みを、こう強調した。
「ひと言でいうと、視野の広さ。捕手は野手に守備位置を指示するため、フェアゾーン90度を見渡している。両軍ベンチの監督はもちろん、背後に立つ球審の性格や癖まで目配りを欠かせない。視野は360度。この視野の広さが監督になって生きてくるんですよ」
(文中敬称略)
(ノンフィクションライター 松下茂典=文)