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五月病の予防を考える際に大切なのは、「どんな人が五月病になりやすいか?」を知ることです。
(1)元気不足タイプ元気不足の人は要注意です。漢方の世界では、「気」はすべての基本となるエネルギーのようなものと考えます。その気が少ない「気虚(ききょ)」と呼ばれる状態の人は、体力も無いので気疲れもしやすく、ストレスに対しての抵抗力が弱くなると考えます。このようなタイプへの代表的な方剤では「補中益気湯」などがあります。
(2) 気の巡りが悪いタイプ元気不足の人と反対に、このタイプは「気」は十分にあるのですが、それがきちんと体の中を巡らない状態を言います。漢方的には、さまざまな理由で気の流れが滞り精神的な症状が現れる「気滞(きたい)」と言われる状態ですが、これは「詰まったような症状」や「張ったような症状」を訴える例があげられます。このタイプに使う代表的な方剤は「加味逍遥散」などがあります。
たとえて言うならば、「気虚」は燃料が無くて動かないタイプ。だから燃料(気)を補ってあげて改善していきます。一方「気滞」タイプは、燃料はあるが、それがちゃんと巡らないために動かないタイプです。滞っているところを通してあげて、流れを良くして改善していきます。
「自分は疲れるとメンタルのバランスを崩しやすい」という人は、ほかの原因もありますが、まず「元気不足タイプ」か「気の巡りが悪いタイプ」かを考えてみると良いでしょう。
最終的に、薬を選ぶときは、きちんと専門家に相談することをオススメします。気虚や気滞への漢方薬は数え切れないほどあります。体質や体調に合ったものを服用しないと、効果がないばかりか、逆に体調を崩す場合があります。
燃料(気)不足なのに、めぐらす薬を使えば、燃料が空の状態でエンジンばかり回してオーバーヒートしてしまいます。また、燃料(気)はすでにいっぱいあるのに、間違えてたくさん補給したら溢れかえってしまいます。
メンタルの悩みに使用される安定剤や向精神薬などに比べると、漢方は体にやさしいと考えますが、それだけに正しいものを選びたいものです。正しい五月病対策で元気に春を乗り切りましょう。
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