そして今後もさらなるスキルアップを目指すなら、より高度な仕事のやり方を同じように上司や同僚から学ぶことになる。リモートワークでそれが可能なのか。あるいはずっと現状のままでいいのか。
ではなぜ同じ職場にいれば上司や同僚が仕事のやり方を指導できるかといえば、やっぱ彼らの頭の中にはおおざっぱなスケジュールがあるからだと思う。この段階でこの辺りまで進んでいなければおかしい。もしそこまで到達していなければ、やり方が間違っている可能性が高いから、なにをどうやってるのかチェックを入れよう、と。
だいたい「思ったより作業が進んでいない」場合、なんか変なところでつっかえている。一言相談してくれれば、あっという間に解決するような問題。でも当人は「相談すべき」問題かどうかがそもそも判断できない。なにしろそれをやるのが初めてなのだから、この先、どれほど山や谷が待ち構えているか、全体が見えない。
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むろん無策ではない。たとえば外注会社に仕事を出す場合、予想される問題点などを説明した上で、多さっぱなスケジュール表を出させる。それを見て、この辺りはもっと時間がかかるはずだから、長めに作業時間をとった方がいいとか、そんかわりこの部分を短期間で済ませてくださいとか、話合って決める。まあ問題なければそのままなにも言わないが。
でもやっぱスケジュール表というのは大雑把なんだよね。「必要な情報の調査」とかあっても、わかってる側と分かってない側では認識がずれる。「いまからそんな基礎的な部分から調査してたら到底間に合わない」と思うのは、全体の量を知ってるからであって、知らない人間からみれば、大真面目なんだよね。
たとえるなら円周率を、まじめに「なぜその値になるか」を考えてたら、小学校は卒業できない(笑)。やっぱ丸呑みというか手抜きの仕方が重要なのだが、本人はいたって一生懸命。
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それを防ぐには細かく進捗をチェックするしかない。でもこれって嫌だよね(苦笑)。毎日今日やった作業の報告を書かせる。大体において形式的なものになりやすい。手間ばかりかかってあまり意味がない。そしてこの手の報告は抽象的なものになりやすい。
むしろポイントを抑えて、なんか表現はあれだけど、テストをした方がよほど進捗がわかる。たとえば「○○方式って結局どういう仕組なのかわかった?」とか。「ええ、それはどうやら〜というものらしいです」「なるほど」と。
でもこれをメールとかでやると、質問に答えるために調べてから、回答するんだよね。それじゃ進捗のチェックの意味がない(苦笑)。全体の進捗を把握するための抜き打ちテストみたいなものだから。それにあくまで目的は実作業なのであって、テストに満点をとれるように頑張ってもらっても困るし。
職場での何気ない雑談では、意識・無意識を問わずこういう進捗のチェックをやっているのだよね。それがリモートワークだと難しい。メールで書いたら、それは正式な質問になってしまう。「すぐに答えられるなら答えてくれ」という質問が、半日かけて調査して全力で答える質問になってしまう。
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「こうすればいい」というのも、メールとか文章で説明するのと、実際に目の前でやってみせるのでは、ぜんぜん説得力が違う。やっぱ言葉で説明している間は、相手も納得しないんだよね。「えー、そんなのうまくいくとは思えません」みたいな気持ちがありありと伝わってくる(笑)。