三井不動産は「日本橋スマートシティ」というモデル事業を街づくりの中枢に掲げており、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」をコンセプトに「日本橋再生計画」を推進。400年の歴史と地域のコミュニティ、豊かな水辺空間という3つの日本橋のアイデンティティを活用し、第2ステージは「産業創造」「地域共生」「界隈創生」「水都再生」をキーワードに掲げるという。
現在は5つの街区にわたる大規模複合開発「日本橋室町東地区開発計画」が「日本橋再生計画」の一環として進行中で、室町古河三井ビルディングと室町ちばぎん三井ビルディングの2棟が2月1日に竣工する。「日本橋室町東地区開発計画」はオフィスや商業施設、賃貸住宅、シネマコンプレックス、和室/案内所、防災拠点、福徳神社の7つの機能を複合。建物の外観は、建築家の團紀彦(だん・のりひこ)によるデザインコンセプトのもと、西洋の古典的劇場で見られる回廊(ロッジア)の設置、行燈をモチーフとした造形の導入など、周辺の歴史的建築物との調和に配慮しつつ「通り」に特徴を持たせたデザインが特徴となる。発表会では室町古河三井ビルディングの最上階4フロア(18〜21階)に入る賃貸レジデンス「パークアクシスプレミア 日本橋室町」や室町ちばぎん三井ビルディングのオフィスフロアの一部などが先行公開。各ビルの低層部分に入る商業施設「COREDO室町2」と「COREDO室町3」は3月20日に開業し、既存の周辺2施設と合わせて全83店舗がオープンする。
今後は日本橋本町二丁目特定街区や室町三丁目地区、八重洲二丁目中地区といった8つの新たな地区開発が予定されており、菰田正信は「計画中のプロジェクトが一気にオープンする2019年以降には、日本橋から八重洲にかけての連続した賑わいの形成やタウンマネジメントの進化による街ブランドの成熟化を目指したい」と話している。また、東京五輪開催が計画推進に与える影響について「スケジュール加速化の一つの弾みになっている」といい、「東京という都市の魅力を発信し、強化するためには日本橋以外に六本木や丸の内など周辺エリアそれぞれの持ち味を生かすことも重要。各エリアと連携しつつ切磋琢磨することで、都市全体の競争力を高めるべき」と考えを述べた。
■三井不動産 東京五輪ひかえ日本橋「コレド室町」で街の賑わい再生へ
http://www.fashionsnap.com/news/2014-01-16/cored-muromachi-3/