水の惑星なのに使える水は0.01%
-
つまり、私たちは地球上にある水のたった0.01%(≒2.5%×0.4%)を世界中でシェアして使っていることになります。
無限にあると思いがちな水ですが、よくよく考えてみるとすごく貴重な資源だと言えます。
何かを惜しげもなく使うことを「〜を湯水のように使う」と言うことがありますが、実際はこれほどまでに貴重な水ですから大切に使いたいものですね。■水資源はどこにあるの?
それでは、この貴重な水資源は世界のどこに多くあるのでしょうか。
琵琶湖のことを「近畿の水がめ」と言いますが、やはり世界を見ても湖(淡水湖)がその多くを占めています。
そこで、世界の淡水湖の貯水量ランキングを見てみることにしましょう。1位はロシアの「バイカル湖」で23,600立方キロメートル、2位はアフリカ大陸にある「タンガニーカ湖」の19,000立方キロメートル、3位が北米の「スペリオル湖」で12,100立方キロメートル…と続きます。
つまり、このベスト3だけで貯水量はおよそ55,000立方キロメートルとなり、地球の水資源の半分近くを占めている計算になります。
ちなみに先ほどもご紹介したとおり、琵琶湖の貯水量は27.5立方キロメートルでしたから、そこには地球の水資源の0.02%しかありません。こうして見ると、日本にある水資源がいかに少ないかが分かるでしょう。
■地球以外にも「水の惑星」はあるの?
さて、ここまでは地球上にある水に目を向けていましたが、地球以外にも「水の惑星」と呼べるような天体はあるのでしょうか?
…実はこの広い宇宙には、地球以外にも水や氷を持つ可能性のある天体がいくつか見つかっています。
太陽系の惑星に限ってみても、土星の外側を回っている天王星や海王星には、水素やヘリウムの大気の下に氷の層がありますし、太陽に最も近い惑星である水星でも光の当たらない谷底深くに氷があるのではと推定されています。
このほか、惑星ではありませんが、木星の周りを回っている衛星「エウロパ」や土星の衛星「タイタン」なども、凍った氷の層の下に液体の水が大量に存在し、さらには生命がいる可能性も考えられています。
あらためてこうして見ると、地球は「水の惑星」と誇れるほどじゃないな…と感じるかもしれません。
とはいえ、地表に液体状態の水が存在する天体は、太陽系内では地球以外に見つかっていないという点もまた事実です。■まとめ
地球上には多くの水が存在しますが、見てきたとおり人間が利用可能なのはその中のごくわずかであり、貴重な資源であると言えます。
その一方、地球以外にも水や氷が存在すると考えられる天体がいくつも見つかっていますので、これらをさらに詳しく調査することで、新たな生命の発見や、生命誕生の秘密に迫ることができるかもしれませんね。
(文/TERA)
■著者紹介
小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。-
© livedoor
x