ニューストップ > スポーツニュース > プロ野球ニュース
そう話すのはプロの選手も多数指導するあるトレーナーだが、一昨年のセ・リーグ新人王、澤村などは大学時代に体が変わり、プレイが変わった典型だろう。大学で本格的なウエイトトレーニングを取り入れ、肉体改善の結果、入学時は141キロだった球速も157キロにまでアップした。成長期が終るひとつの目安は「身長が止まった時」で、20歳前後まで身長が伸びる選手もおり、そこから本格トレーニングで"化ける"可能性を秘めているということだ。ダルビッシュや田中将大、前田健太らを見ても、プロ入り後の成長にははっきり体の変化が重なっているが、この体が大きく変わる時期が、大学の4年間に重なることが多いということだ。そう考えれば、高校時代まで無名だった選手が大学で大きく伸びるケースもある意味では必然なのだろう。永山氏は「そこも含めて......」と最後にこう語った。
「大きく伸びるためにはその選手にとって"はまる"チームへ進むこと。益田や小川、則本らにとっては、選んだ大学が様々な意味ではまったのでしょう。そして、これはプロの世界でも言えることで、今の3人はロッテ、ヤクルト、楽天というチームにはまった。チャンスをある程度もらえ、存分に力を発揮できる場所があったから大きな結果を残すこともできたということでしょう」
大学ではまり、プロでもはまった。見事にこのふたつを渡り歩いた選手に、大きな成長と結果が待っていた。今年も育成枠を含めると89人の選手がプロからの指名を受けたが、1年後、今以上の注目を浴び、笑顔を浮かべているのはどの選手だろう。
谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro