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週プレNEWS
しかも3大キャリアのショップで購入できるSIMロック版なら、例えばauの「毎月割」のように2年の回線契約を条件に、実質約半額で端末が買えるサービスがある。
だがSIMフリー版は、額面どおりの端末代金を支払わなければならない。いくら月々の通信費を安く抑えられても、多額の初期投資を回収する前に電池がヘタって、結局はSIMロック版より高くつく可能性のほうが高いのだ。
「今回のSIMフリー版に飛びつくのはアップル大好き、iPhone大好きという裕福なマニア層に限られるでしょう。そうした人たちが“趣味”であれこれSIMカードを差し替えながら使うわけです(笑)」(前出・石川氏)
となれば、また新たな疑問が。どうしてアップルは、そんなほとんど売れそうもないiPhoneの扱いを始めたのだろう? 携帯電話ライターの佐野正弘氏はこう指摘する。
「以前から秋葉原などの一部店舗では、海外で仕入れてきたSIMフリー版iPhoneがマニア向けに売られていました。アップルは、正規取扱店でもないところで並行輸入の自社製品が扱われている状況を嫌い、『だったら、自分たちで売る』となったのではないでしょうか。
アップルが扱うSIMフリー版は、並行輸入品より価格が安く設定されていますから、彼らにとっての“目の上のたんこぶ”を駆逐できるはずです」
なるほど。だったら納得がいく。儲けを度外視しても、自社のブランドイメージを守る。オシャレさんなアップルの考えそうなことではありますなあ……。