スティーブン氏が成人してからの時間のほとんどを過ごした、アメリカ合衆国メイン州での生活には田舎道を長々と運転するための車が必要になるそうです。スティーブン氏は自分が落ち着かないときには、その田舎道でテープに入った本の読み聞かせを聞きながら過ごすのがお気に入りとのこと。80年代には本の読み聞かせテープのないものも多かったハズですが、それらを探すのに苦労したことはないとスティーブン氏は言います。 By Doug Kerr
なぜ本のテープに困らなかったかというと、スティーブン氏にはナオミ、ジョー、オーウェンという3人の子どもがおり、子どもたちが小さい頃は「父親に本の音読を録音したテープを渡すために小さな町の図書館にかよっていた」と言うほどに熱心にさまざまな本のテープを作成してくれていたから。末っ子のオーウェン・キングさんは「僕は父にディーン・R・クーンツの幼児向けの本を読み聞かせたこともありますよ」と言います。長男のジョーさんが父に読み聞かせた本の中で記憶に残っているのはThe Carpetbaggersとのことで、とても当時のジョーさんが読むような本ではなかった、と母親のタビサ・キングさんは付け足します。また、「ジョーンズタウンで起きた集団自殺を基に書かれたRavenを音読して録音してほしい」と父から頼まれ、「とても恐ろしい印象が残っている」と長女のナオミさんは言います。 By sean dreilinger
スティーブン氏とタビサさんはそれぞれ作家として活動しており、彼らの子育て方法の影響か、ジョーとオーウェンの2人も作家として活動するようになりました。ジョーさんはNOS4A2という、ファンタジーホラー小説がベストセラーとなっており、オーウェンさんはまだ小説家としてデビューしたばかりですが、Double Featureという喜劇小説を2013年3月に出版しています。さらにオーウェンさんの妻であるケリー・ブラフェットさんも小説家で、著書にはSave Yourselfがあります。サーカスのパフォーマーなどで家族が全員同じ職業に就いているということはありますが、スティーブン・キング一家では、子どもたちが果敢に両親のあとを追い、見事に作家として成功している、という不思議な状況となっています。 By jeffrey james pacres
ケリーさんは昔から小説家「スティーブン・キング」の大ファンで、自分でも執筆活動を行っていたそうです。始めは留守番電話のスティーブン氏の声を聞くだけで緊張してしまうほどでしたが、約2年間の月日のおかげでスティーブン氏の前でも話せるようになったとのこと。ケリーさんがたまたま家でスティーブン氏のとなりに座った際、あこがれのアイドルはiPadでJetpack Joyrideというゲームをしていたそうで、そういった飾らない部分がケリーさんが一家と打ち解ける機会になったのかもしれません。 By Sai89AJ
彼は読書会を開き、金で雇った俳優に自分を演じさせてまで父親とは全く関係の無い人物の書いた小説だとアピールしようとしますが、Heart-Shaped Boxが出版されてしばらくするとすぐに父親の正体がバレてしまいます。しかし、「作者が誰か」を読者は特に気にしておらず、本の成功は親が小説家「スティーブン・キング」だからでは全くなかったことが逆に証明されたとのこと。なお、ジョーさんの小説は父親のスティーブン氏の小説とはほとんど似ていないそうです。 By Terry
2003年にスティーブン氏がMedal for Distinguished Contribution to American Lettersを受賞し、全米図書賞にてスピーチを行いました。このスピーチの前半では、彼がまだ売れない小説家で妻と子ども2人とトレーラーハウスでなんとか生活していた頃に、ダンキンドーナツでパートの仕事をしながらスティーブン氏が小説を書くことに打ち込めるようずっと支え続けてくれた妻について話したそうです。このエピソードのようにスティーブン氏の妻であるタビサさんは、自分を犠牲に夫の夢を応援できる人物ですが、ただ従順なだけの人ではありません。