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大規模で楽しみなイベントがあると心が高揚するというのはよくあるが、果たしてオリンピックの開催が決まると結婚や出産が増えるのだろうか。日本では過去3回オリンピックが開催されているが、厚生労働省の「人口動態統計」で調べてみると、東京オリンピックの1964年は開催が決まった7年前の57年と比較し出生率は0・01ポイントアップ。ただしオリンピック翌年の出生率は64年より0・9ポイントアップ。72年の札幌は7年前の65年と出生率は同じ。98年の長野冬季オリンピックは7年前の91年から出生率、出生数とも下がり続けた。
婚姻数の推移を見ても、オリンピックがあるから急に上昇したということはないようだ。統計を見る限りでは、オリンピック開催と結婚、出産の関係はよくわからない。
ニッセイ基礎研究所生活研究部准主任研究員の久我尚子さんによると、単純に五輪開催決定で盛り上がり結婚したくなった、子を産んで五輪を見せたくなった、ということではなく、ここ10年来若年層(18〜34歳)の結婚したい意識が年々強くなっていて、五輪開催決定をきっかけにそうした感情がツイッターなどに噴出したのだろう、と分析している。
国の統計によれば「いずれ結婚するつもり」と答えている若年層は男女共に90%近くいる。大きく変わったのは相手に対する意識で、2000年ごろは理想の相手が現れなければ結婚しないとしていたのに対し、今では理想の相手でなかったにしても「ある程度の年齢までには結婚するつもり」と答える人が男女とも60%近くになっている。
どうして結婚に前向きになったかというと、核家族化が進んだ世代のため家庭というものに憧れを持っていること、そして東日本大地震で家族の絆と言うものを実感したからだという。そしてそれだけではない。
「安倍政権になって基本給は上がらなくても残業代や賞与が増え、年収で見れば上昇していますし、オリンピックが来るということで日本経済が活性化し雇用も増えるだろうと予想できるわけです。そういった余裕が生まれるイメージも結婚、そして出産について向き合える要素になっているのだと思います」
結婚したい若年層が増えていることでうまくすると少子化に歯止めがかかる可能性もあるという。