ここでゴミはふたつに大きく大別されています。「焼却してしまうゴミ」と、資源として生まれ変わる「資源ゴミ」です。家庭でも、一般ゴミとびん・缶・ペットボトルは分別してゴミに出しますが、これって本当に必要なのでしょうか? 分別後の資源ゴミの行方は?
今回は、生活の中でも一番なじみ深いペットボトルと牛乳パックにスポットをあててみました。さて、ゴミの分別という私たちの地道な作業はどのように役立っているのでしょうか?
■容器から衣料まで幅広く再生......ペットボトルの場合
ペットボトルが再生されるまでの工程をみていきましょう。
・私たちが捨てる場合―分別排出 (正しくは各市町村で決められた分別法に従って下さい)
1、ペットボトルから、ラベルとキャップをとる。
2、ペットボトルの中身がのこらないように水洗いする
3、足などで踏んでペットボトルを横方向につぶす
4、ペットボトル収集日に決められた集積場所へ出す。
・市長村での処理―分別収集
1、収集
2、選別(異物除去)
3、圧縮梱包(べール化)
4、保管
・事業者による処理―再商品化
1、再商品化工程
塩ビボトル除去→カラーボトル除去→手選別→粉砕→洗浄→風力分離→比重分離
2、フレーク化 / ペレット化
3、再商品化製品利用
ボトルtoボトル...ペットボトルとして再成型
シート...クリアファイル・クリアホルダー・粘着シート・卵パック
繊維...スーツ・カーテン・ユニフォーム・テント
成型品...ボールペン・PETバンド・回収ボックス
ペットボトルは家庭でしっかりと分別することで、後の工程での作業負担や負荷が少なくなります。必ず決められた通りに出しましょう。こうしてみると、ペットボトルとキャップを分ける作業も決して無駄ではなかったことがわかりますね。(2013年3月12日時点、ペットボトルリサイクル推進協議会のHPより)
■お肌に近い紙へ再生......牛乳パックの場合
飲み終わった牛乳パック(中身がジュースやお茶でも同じ扱いです)も、リサイクルできる大切な資源ゴミとなります。
・牛乳パックの正しい回収
1、飲み終わったパックは中身をさっと水洗いする
2、パックを切り開いて、たいらに伸ばして乾かす
3、ある程度の枚数がまとまったら、束にして回収ボックスへ入れる
牛乳パックに使われている紙の原料には、食品に使われることもあり安全で衛生を考慮したバージンパルプが使われています。回収された牛乳パックは、リサイクル工場でティッシュやトイレットペーパーなどに生まれ変わります。
1Lの牛乳パック30枚で、ティッシュ3〜4箱、トイレットペーパーなら5個が再生されます。(2013年3月12日時点、一般社団法人日本乳業協会のHPより)
ペットボトルも牛乳パックも捨ててしまえばただのゴミですが、正しく捨てる(排出する)ことで、私たちの生活に役立つ製品となります。
「ゴミの分別が面倒だ」と思う前に、ちょっとしたアクションがあるだけで、ゴミの減量化やエコ運動につながったり、もしかしたら私たちの未来にも大きく影響するかもしれません。まずは、出来るところからスタートしてみてはいかがでしょうか?
※尚、記事中のゴミ・リサイクル等については2013年3月12日時点の情報であり、将来変更となる可能性もあります。
(文・エスタイル)