そんな『
ザ・レイド』から、壮絶なバイオレンスシーンばかりを集めた特別動画が公開になった。その凄まじい映像がこちら
冒頭から繰り広げられる、血で血を洗う残酷な殺し合い…と思いきや登場するのは、可愛らしいネコの軍団!?
実はこの映像は『
ザ・レイド』本編映像ではなく、同作にオマージュを捧げて作られたクレイアニメである。しかしクレイアニメだからと言って侮ってはいけない。『
ザ・レイド』本編でも使用されている、リンキン・パークのマイク・シノダによる緊張感のある楽曲をバックに、SWAT部隊が高層ビルに突入する様子を見事に再現。また、残酷さは『
ザ・レイド』本編をも凌駕する凄まじさだ。登場するSWATやギャングは全てネコなので、「ニャーオ〜」とカワイイ声で会話するが、それに反比例するかのようなエゲツない暴力描写が次々登場。容赦なく飛び交う銃弾、銃撃を受け飛び散るネコたちのアタマ(!)。そしてネコならではの“ある習性”を重要なポイントで使うなど、ユーモアのセンスも抜群。可愛いのにグロテスク、言うなれば“グロ可愛い”衝撃的な映像になっている。
映像中に1匹だけイヌが登場するが、こちらは『
ザ・レイド』に登場する"マッド・ドッグ”と呼ばれる凶暴なキャラクターを(名前のまま)再現したもの。本編中のマッド・ドッグはやはりインドネシア武術”シラット”を駆使して、主人公たちを苦しめることになる強烈な人物である。すでに公開されている予告編と比べれば、いかにこの映像が作品の雰囲気を再現できているかがわかるだろう。
このハイクオリティなクレイアニメを制作したのは、イギリス在住のリー・ハードキャッスル。彼は月一回ほどのペースで作品を制作するクレイアニメーターだが、実は映画ファンの間では一時話題になった人物である。その代表作が『遊星からの物体X』のパロディ映像『Pingu's THE THING』だ。有名なペンギンの人気キャラクターで名作ホラーを再現した、キモかわいい映像を目にした方も多いだろう。この他にも『
死霊のはらわた』『
ショーン・オブ・ザ・デッド』『
エクソシスト』『
テキサス・チェーンソー』など、映画ファン垂涎のパロディ作品を作り上げてきた、ある意味頼もしいクリエイターなのである。ハードキャッスルは『
ザ・レイド』に直接の関係はないが、公開された数々のパロディ映像のなかでもこの『Claycat's THE RAID』は100万回以上再生され、ダントツの人気を誇っている。
そして彼自身も、26本の短編から成るオムニバス・ホラー『the ABCs of death』で本年度のトロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門に参加。この『the ABCs of death』には、『ホーボー・ウィズ・ア・ショットガン』のジェイソン・アイズナー、『キャビン・フィーバー2』のタイ・ウエスト、『ザ・ホード -死霊の大群-』のザヴィエ・ジャンなど、現在のホラー映画シーンを引っ張る面々が顔を揃えている。日本からは井口昇、山口雄大、西村喜廣の3監督も参加しており、日本公開が待たれる。リー・ハードキャッスルはアルファベットのTをモチーフとした作品で参加している模様。その他多くの作品は彼のオフィシャルサイトで公開しているので、予習がてらチェックしてみてはいかがだろうか。
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leehardcastle.com - リー・ハードキャッスル 公式サイト
今回の映像はかなり完成度が高いものながら、残念ながら『
ザ・レイド』にまったく及ばない部分がある。それは最も重要な“シラット”を用いたアクションシーン。こればかりはさすがにクレイアニメでは表現しきれないので、その凄さは是非劇場で体験してほしい。
『
ザ・レイド』は10月20日(土)より、シネマライズ・角川シネマ有楽町他 全国ロードショー
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『ザ・レイド』 - 公式サイト
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