「橋下氏に共感を覚えていた国会議員の間で急速に『橋下離れ』が広がっています。保守系の議員は、橋下氏のタカ派的な言動は認めても、『ベーシック・インカム』などのバラマキ政策は許せないようで、『まるで国家社会主義じゃないか』と、橋下氏が『本当に独裁者になろうとしているのでは』と懸念を示しています」(前出・政治部デスク)
さりげなく、「船中八策」の細目には「首長と国会議員の兼職容認」という項目がある。自身の国政転身を否定し続ける橋下氏。大阪市長のままこっそり国会議員になって、総理を目指そうとしているのか。そして、独裁者がデタラメな政策を振りかざす時代がやって来るのだろうか。
前出・政治ジャーナリストはこう話す。
「1930年代に、欧州に独裁者が現れた時代と現代は似ているなんて言う人もいますが、スーパーリアリストの橋下氏が独裁者になることはないでしょう。ただ、『統治機構の再構築』と言っているからには、本気で歴史に名を残す総理大臣になろうとしているのは間違いない。だから、今は自分の周囲に寄ってくる人間に利用価値があるのかないのかを見極めているところだと思います。人を寄せつけるためにブチ上げた『船中八策』であって、全てを本気で実現しようとは思っていないはずです」
ということは、「貯金税」もコケおどしの類いなのだろうか。しかし橋下氏の狙いは明確に国政に向いている。
「多くの世論調査で『橋下氏に期待する』という数字は上がっていますが、『支持政党』となると、維新の会の支持率は低い。ましてや次の衆院選がいつになるのか、現在の国会は見当もつかない状態です。とにかく、橋下氏は次々と“アドバルーン”を打ち上げ続けなくてはならないのです。それは、できるだけマスコミが大きく取り上げてくれるような話題です。それがいつまで続けられるか、橋下氏にとっては重要な問題です」(前出・小林氏)
橋下氏の言動に一喜一憂するのに疲れた庶民にしてみれば、ぼちぼち「打ち止め」にしてもらいたい。