2006年8月のUFC初出場から4年3カ月、ついに岡見が世界王座挑戦に王手をかけた。当初の予定では、今大会で岡見はヴィトーと対戦予定だったが、彼が8月に続き連続で王座挑戦すると目されていたチェール・ソネンに代わり、アンデウソンへのチャレンジャーに抜擢を受けたため、マーコートと対戦することとなった。
マーコートは岡見にとって、以前から対戦を希望していた対戦相手だ。穴のない、トータルファイターのマーコートを超えなければ王座挑戦はないと自らに言い聞かせてきた。やや突発的ではあるが、ついに待望のファイターと戦うことになった。
キャリア11年を超すマーコートは、無名時代に新宿スポーツセンターで合同トレーニングを行っていた菊田軍団(※現GRABAKA)の練習に参加し、パンクラスでキャリアを重ねるなど、いわば日本で成長したファイター。レスリングベースで打撃、柔術を消化したファイターが多くなる一方の北米MMA界にあって、総合格闘家というべき穴のない動きを見せる。
これまでの対戦相手でいえば、UFC2敗の中で、最初の敗北を喫したリッチ・フランクリンよりも、マーコートはさらに引き出しが多い。そんなオールラウンダーのマーコートこそ、過去11戦、4年間のUFC生活で培ってきたものの全てを出すに相応しい最後の難関といえる。
穴がない代わりに大砲も持たないマーコートに対し、卓越した防衛本能を持つ岡見がどのような攻めを見せることができるか。打ち負けず、倒されにくく、動かされない――岡見スタイル。どっしり構えて、差し合いのなかから支え釣り込み足、あるいは大内刈りや小外掛けなどでテイクダウンを奪い、立たれても、また倒す。
マーコートの体力と精神を削ってからのパウンド攻撃、成長した岡見だからこそ、UFC出場以前からの得意技で勝負を決める――そんなポジティブな予想も十分に成り立つ。
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