今回の裁判は、芸能人初の裁判員裁判と、押尾被告と一緒に合成麻薬MDMAを服用し亡くなった田中香織さんの容態が急変した際、適切な保護を取らずに死なせたとする「保護責任者遺棄致死」が認められるかどうかに注目が集まっていた。
判決では「保護責任者遺棄罪」のみに適用を留め、「保護責任者遺棄致死」は不成立。検察側は懲役6年を求刑していたが、その半分以下となる懲役2年6ヶ月の実刑が言い渡された。
押尾被告といえば、2002年の関西テレビ・フジテレビ系「春ランマン」、2003年の関西テレビ・フジテレビ系「クニミツの政」でそれぞれ主演を演じ、一気に俳優としての人気を確立。
その後、俳優としての活動と平行してロックバンド「LIV」のボーカルとしても活躍するなどもあり、俳優としての仕事は徐々に減少。ドラマ主演に関しては「クニミツの政」が今のところ最後となっている。
「クニミツの政」といえば、週刊少年マガジンで連載されていた「サイコメトラーEIJI」のスピンオフ作品で、第27回講談社漫画賞も受賞した人気コミックが原作。
主人公『国光』はその真っ直ぐな気性と天性の強運を見込まれて、作中の舞台、新千葉ヶ崎市の市長選に立候補した坂上竜馬の秘書として、時に破天荒に時に懸命に活躍する。
今回の裁判では、押尾被告の『虚偽の証言』を指し示す、多くの証言や物証が数々証拠として示されたが、当の本人が認めていないことと肝心の田中さんが亡くなっていることもあり、確定的な証拠とは認められず、日本裁判の「疑わしきは罰せず」に基づいての量刑が下された。
残念な事に押尾被告が演じた”潔い『国光』”とは異なって、何とも後味の悪い『元国光』の最終回を見る結果となった。
余談だが、押尾学被告、「海外からの帰国1年で100人暴走族のヘッドになった」(本人談)、「米軍基地での乱闘騒ぎを起こした」(本人談)など、奔放とも虚言とも取れる発言ぶりから、インターネットの世界では一部に「お塩先生」と崇められ、その不思議な語録がまとめられるなど妙な形で人気者にもなっていた。
最後に折角なので、その語録の一部を紹介したい。
■押尾語録
・俺がそこにいるだけで俺の持つ心の陰鬱さが自然と漂ってしまう。
・昔、東大受かったんですよ。でも日本の大学なんてウゼーと思って。
・ヒーロー不在のこんな時代、俺への負担も自然とでかくなる。
・国光と性格が似てるかな。でも僕の方が先に生まれてるから向こうが真似したんです。
・俺は尾崎豊を超えている。歴史を作る。
・クロムハ―ツは俺のために作られている。
・虎舞竜なら13章かかるところも、俺なら2小節だから。
・最近コンビニの募金箱に1万円入れた。
・千葉のおじゃが池で女の霊を見た。
・沖縄って原チャリはノーヘルでOKなんでしょ?
・ラウドなロックってだけで聴かない奴らがいるのさ。geek共の相手はしてられないね。
・本当のパンクはロンドンでもなくNYでもなくLIVにある。(LIV=押尾被告の所属するロックバンド)
・俺がブレイクダンスをやめたのは「マイケル・ジャクソン」がムーン・ウォークをストリートから盗んだのを見て馬鹿らしくなったから。
・卵にはちょっとこだわってて8つで268円の『森の卵』を使ってる。
・みんな死ね、俺がレクイエムを鳴らしてあげるから。
・「明日があるさ」はとんだ茶番。俺には明後日がある。
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