日本を除けば世界で一番好きなチームと、その次に好きなチームが
最後に残ってくれました。
「そうなってくれたら嬉しいけど、まあ今回もないだろうなあ」と
毎度のように勝手に諦めていた決勝カードがついに実現です。
2010W杯決勝は、オランダ×スペイン。
共に優勝未経験国、つまりこの大会でW杯史上8つ目の王者が誕生します。
本当に、本当に楽しみです。
本来の姿で噛み合えば、最高のゲームになると思ってます。
互いに昔から攻撃の華麗がクローズアップされてきたチーム。
まだ記憶に新しいユーロ2008では、最高の輝きを放った2チームです。
そして、日本にも多くのファンを持つ2チームです。
・攻撃的
・カッコいい
・美しい
そんな風に形容されてきた2チーム。
が、今大会、スペインはともかくオランダはどうだろう。
彼らはスペクタクルなアタッキングフットボールを披露してきただろうか。
ユーロ2008で、イタリアとフランスをコテンパンのフルボッコにした、
あの時のサッカーを見せてくれているだろうか。
答えはNO。
わが国のみんなが見たであろう、あの日本戦、
伏兵との難しいゲームだったスロバキア戦、
優勝候補をベスト8で大会から追い出したブラジル戦、
最後の南米勢を葬ったウルグアイ戦、
あらゆる試合で、残したイメージは「手硬い」「勝負強い」といった、
これまでのオランダとはかけ離れたものでした。
※いや、「勝負強い」のはいいことなんだけど。でもやっぱりオランダの
イメージじゃない(笑)
ロッベンがサイドをズタズタに切り裂き、スナイデルが中盤を圧倒的に支配し、
ファン・ペルシーが驚愕のスーパーゴールを連発する、そんなオランダを
みんなは期待したが、そうはなりませんでした。
「勝ったのはいいことけど、オレが見たかった試合じゃなかった」
あるいは
「こんな風に勝ち残るならいつものスタイルで負けてくれたほうが良かった」
某巨大掲示板のオランダスレッドをはじめ、様々な場所でそんな書き込みを
目にしました。オランダファンの感想です。
不思議と「勝てばいい。内容は問わない」なんて意見は少なかった気がします。
――結果は最高だが、内容には不満足
まるで、青いサムライと呼ばれる某国のサポーターのような感想(苦笑)。
※あ、でも我々は終わるまでは「とにかく勝て」の気持ちでいっぱいだったか
だが、彼らはここまで上がってきました。
まだ、彼らの試合を観ることができます。
そして、勝とうが負けようがあと1試合です。
ならば、観たい。
最後の最後、この大舞台で、いつものオランダが観たい。
20年近くオランダを応援してきた身としては、悲願の初優勝を観たいと
心から祈ると共に、ラスト1試合で、世界中が納得するオランダのサッカーを
披露して欲しいとも思ってしまっている。
なんなら、ここまで来たならどういう結果になろうとラストなんだから、
負けてもいい、みんなが好きなオランダを、なんて気持ちも芽生えてきている。
例えば、前半10分くらいにオランダが先制して、守備的な戦術に切り替えたら、
間違いなく「スペイン獲り返せ!」って思うでしょう。
オランダが一番好きで、なによりもオランダの優勝を願っているのに、
思うでしょう。「攻めるオランダが見たいから、スペイン、獲り返せ」と。
オランダは、つまらないなんて言われてはいけないんです。
昔の偉い人も「1−0で勝つなら3−4で敗れよ」と言っていたじゃないですか。
そんなオランダを最後の1試合くらい見せて欲しいじゃないですか。
幸い相手も攻撃のチームです。
いつものオランダに戻ってくれれば、世界最高の戦いになるんです。
それが観たい。世界一を決める決勝の舞台はそうあってほしい。
最後はいつものオランダが見たい。
美しいなら散ったっていい。
優勝を願う以上にそんな気持ちが大きくなってきています。
さあ、その日まであと2日です。
・
記事をブログで読む