「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」は2005年、「ゲルマニウムの夜」で世界中から絶賛浴びた大森立嗣(たつし)監督のオリジナル脚本作品。施設で兄弟のように育った男2人が、過酷な状況を打破する為に旅立つという時代を反映したセンセーショナルなストーリーだ。
監督は本作について、「もともとこの映画を撮る前に児童養護施設を舞台にした映画を作ろうと思って取材にも行っていました。友達にも実際に過ごしていた人がいて、その人の書いた文章ももとに脚本を書きました」とコメント。リアリティ溢れる脚本に、応援に駆けつけた松田の母・松田美由紀、兄・松田龍平、安藤の母・安藤和津も大きな拍手を贈った。
主役に起用されたことについて松田は「自分の身に起きていることではないけれど、ケンタの抱えている、“現状から抜け出したい、だけどそのやり方が分からない”という感情は僕も理解できる点でした」と語り、「撮影にあたっては、情報が多くて頭で考えすぎてしまうことが今回は望ましくないしやりづらくなってしまうので、旅に出る理由や人物の関係性などをあまり考えないようにすることが苦労しました。情報を入れないこと、考えないことは普段と真逆の作業なので」と撮影の苦労話を披露した。
また、共演の高良は「回はずっと翔太くんと寝食を共にして本当の兄貴のように思っていました」と話し、安藤は「撮影前に監督にちょっと太ってほしいといわれて、6〜7kg太ったら腰がいたくなってしまいました」と会場の笑いを誘っていた。
「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」ストーリー施設で兄弟のように育ったケンタとジュン。“はつり”と呼ばれる、電動ブレーカーでひたすら壁を壊すだけの過酷な労働を強いられ、貧困と理不尽な搾取の中で夢を語ることすら知らずに生きてきた。ついに彼らはひとつの決断をする。“見えない壁”を壊して自分で人生を選ぶのだ。かすかな希望を携えて二人の鮮烈な旅がはじまる…。
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高良健吾 - タレント情報