ロコ・ソラーレは大会前に、試合やトレーニング、ミーティングや食事など、現地での細かなスケジュールを作りますが、それと並んで重要な準備のひとつに、テーマやスローガンの設定があります。
先月出場したカナダ・カルガリーでの世界選手権のテーマは、「グレートな思い出を作る」でした。
大会前のミーティングで、JD(ジェームス・ダグラス・リンド)コーチが「勝つために戦うのではなく、チームFujisawaらしい試合をしよう。ロコ・ソラーレらしい前向きな態度と表情と言葉で、何があっても支え合う試合をしよう」と提案してくれて、そうしたら(鈴木)夕湖ちゃんが「じゃあ、グレートな思い出作りだね」と彼女らしい言葉選びで最適なテーマを文字にしてくれました。
私たちの第二の故郷であり、カナダでのホームタウンであるカルガリーでの世界選手権はやはりすばらしいもので、愛にあふれたファンと才能豊かな世界中の選手に囲まれて戦った15試合は、12年間プレーしていて、最もロコらしい大会であり、目標は達成できたと満足しています。
結果は4位でしたが、現地では街でも空港でも本当にたくさんの方に「おめでとう。いい試合をありがとう」と声をかけていただきました。
4位という成績に対して「メダルを逃した」というイメージを持つ人も多いかもしれません。でも、大会が終わってから、あまりにもたくさんの「コングラッチュレーション」をもらって、チーム内でも「世界で4位ってすごいことだよね」という話になりました。今後、4位を勝ち取った人に出会ったら、私もそう声をかけようと決めました。
みなさま、グレートな思い出をありがとうございました。
私は、4月6日からカナダ・トロントで開幕するカーリングのプロリーグ『Rock League』に出場します。私が所属するTyphoon Curling ClubでGMとしてともに戦ってくれるJDコーチはよく、「誰かが道を拓くと、その後が歩きやすくなる」という話をしてくれるのですが、今その意味を噛み締めています。
自分が何かを成し遂げるというよりも、プロ選手として少なくとも今季と来季の2シーズンを戦うこと自体が(自らの)役割で、その後に自分の場所を空ければ、新しく挑戦できる選手も出てくる。そんなふうに捉え、また新たなカーリング人生を始めるところです。
そのためには、英語でのインタビューを受けるほうでも、するほうでも、もっと学ぶ必要があるし、コミュニケーション能力も高めないといけない。まだまだ足りないものだらけですので、引き続きご指導や応援をいただければ幸いです。

photo by Fujimaki Goh hair&make-up by Morino Yukako styling by Honda Hitomi
吉田知那美(よしだ・ちなみ)
1991年7月26日生まれ。北海道北見市出身。幼少の頃からカーリングをはじめ、常呂中学校時代に日本選手権3位入賞。2011年に北海道銀行フォルティウス(当時)に入団し、2014年にはソチ五輪で5位に入賞した。その後、2014年6月にロコ・ソラーレに加入。2016年世界選手権準優勝、2018年平昌五輪銅メダル、2022年北京五輪銀メダルといった結果を残した。そして2026年、世界初のカーリング・プロリーグ『Rock League』のアジア・太平洋チーム、Typhoon Curling Clubの主将に就任。最近の趣味は裁判傍聴。
※上の写真
森野友香子●ヘアメイク hair&make-up by Morino Yukako
本多仁美●スタイリング styling by Honda Hitomi
衣装協力:Tシャツ \3,190/キャン カスタマーセンター(ルノンキュール)、 ピアス \25,300/ete 、ネックレス \31,900/ete 、靴 \9,900/オーアールティーアール(ダブルエー)