ここ数日のトランプ大統領の発言と一貫しているものと捉えられますか。
涌井文晶 ワシントン支局長:
基本的にはホルムズ海峡について「開放まで行かなくても戦闘を終結する」という姿勢を改めて示したのではないかと見えました。
実際、マーケットもそのように受け止めているようです。既に原油市場などは値上がりで反応しているという状態になっています。
ホルムズ海峡の封鎖に対して、「アメリカが何かをすることはない」とはこの間も繰り返し言っているわけですが、改めて「その状態のままでも戦闘は2〜3週間で終える」ということで、その見通しが立ちません。
またトランプ大統領は「Naturally」という言い方、つまり「ホルムズ海峡は自然に開くだろう」ということです。確かに停戦が合意されれば、その緊張が収まって解放に向かっていくという理屈だと思いますが、市場の反応を見ていると、本当にその通りになるとは受けとめていないと思います。
そういう意味では、この演説がどの程度、トランプ大統領が狙ったような効果があったのかは今の時点ではすぐには判断できませんが、すぐにマーケットが交換するような結果にはなっていないように今のところ見えます。
「懸念を払拭するようなメッセージ」は出なかった
ーー手元にマーケットの情報がありますが、ニューヨークのWTIの原油先物価格は、演説前は98ドルぐらいで推移していましたが、現在は3〜5ドル上がっています。それから株式市場も下げに転じています。日経平均も下がっています。
そういう意味では、2〜3週間という言及が数日前からあり、いわゆる“出口戦略”、「もうすぐ終わりそうなんだ」とトランプ大統領は強調していますが、マーケットははっきりとしたメッセージが打ち出されなかったという受け止めをしていると理解してよいのでしょうか?
涌井文晶 ワシントン支局長:
特にホルムズ海峡については、実際イランが支配権を事実上持ってしまっているという状態です。
これについてトランプ大統領は、「石油を輸入する国が自分の努力で何とかしなさい」ということを繰り返し言っているわけですが、「自分たちで始めた戦闘に対してなんと無責任なことか」というような論評はアメリカの中からも多数出ているというような状況で、そのスタンスは今日の演説でも変わりませんでした。
そして今ヨーロッパ諸国だけで解決できるかどうかもよくわからない状況ですから、そこに対しては、懸念を払拭するようなメッセージは、残念ながら出なかったというふうに私は受けとめます。
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<プロフィール>
涌井文晶
ワシントン支局長
トランプ氏を2年半取材