マイクロ
プラスチックは環境中に存在する微細な
プラスチック粒子であり、人体のさまざまな器官から検出されていることから、健康への影響も懸念されています。ミシガン大学の新たな研究では、研究者が実験や分析の際に使用する
手袋が、マイクロ
プラスチックの過剰な誤検出を引き起こしている可能性があると示されました。
Avoiding and reducing microplastic false positives from dry glove contact - Analytical Methods (RSC Publishing)
https://pubs.rsc.org/en/content/artic
lelanding/2026/ay/d5ay01801c
Nitrile and latex gloves may c
ause overestimation of microplastics, U-M study reveals | University of Michigan News
https://news.umich.edu/nitrile-and-latex-gloves-may-c
ause-overestimation-of-microplastics-u-m-study-reveals/
ミシガン大学の博士課程に在籍していたマディー・クラフ氏は、大気中のマイクロ
プラスチックを調査する共同プロジェクトに参加していました。このプロジェクトには化学・統計学・気候学・
宇宙工学などの学科の大学院生や教員が参加しており、クラフ氏は金属基板を備えた空気サンプラーを使用して調査を行いました。
ところが、実際に捕捉したマイクロ
プラスチックの量を推定したところ、予想を数千倍も上回る量が検出されたとのこと。これは明らかに誤検知だったため、クラフ氏は汚染の原因を突き止めるためにスプレーボトルや実験室の空気中の微粒子など、さまざまな要因を調査しました。
その結果、クラフ氏が装着していた
ニトリル
手袋が汚染の原因であることが明らかになりました。
ニトリル
手袋の装着はマイクロ
プラスチック分野の文献で推奨されていましたが、
ニトリル
手袋に用いられているステアリン酸塩というコーティング粒子は、一部のマイクロ
プラスチックと化学的にとてもよく似ています。そのため、
ニトリル
手袋から剥がれ落ちたステアリン酸塩がサンプルを汚染し、マイクロ
プラスチックの誤検知を引き起こしたというわけです。

クラフ氏らの研究チームは、
手袋による汚染がどれほど広範囲に及んでいるのかを調べるため、
ニトリル
手袋・ラテックス
手袋・クリーンルーム用
手袋などの7種類の
手袋について実験を行いました。この実験では、マイクロ
プラスチックの研究時に行う作業を模倣し、フィルターや
顕微鏡のスライドといった機器がどれほど汚染されるのかが調べられました。
実験の結果、
手袋は1mm2あたり平均して約2000件もの偽陽性反応を引き起こすことがわかりました。クラフ氏は、「私たちが模倣しようとした接触方法は、マイクロ
プラスチックに関するあらゆる種類の研究に関連しています。
手袋をした手で試料に触れるとステアリン酸塩が付着する可能性があり、それによって測定値が過大評価されてしまう可能性があります」と述べました。
研究チームは、最も汚染粒子を放出しないのはクリーンルーム用
手袋であることも発見しました。その理由については、クリーンルーム用
手袋はステアリン酸塩コーティングを使わずに製造されているためだと考えられています。
手袋に付着していたステアリン酸塩と本物のマイクロ
プラスチックは、走査型電子
顕微鏡や光学
顕微鏡では視覚的に区別できませんでした。しかし、赤外線などを用いて分析することにより、
手袋由来のステアリン酸塩とマイクロ
プラスチックを区別することは可能だったとのことです。

論文の共著者であり、ミシガン大学の化学教授を務めるアン・マクニール氏は、現代では至るところに
プラスチックが存在するため、マイクロ
プラスチックの研究は困難な仕事だと指摘。関連する研究を行う人たちに向けて、「
手袋による汚染に対処し、環境中のマイクロ
プラスチック汚染の過大評価を避けるよう強く求めます」と述べました。