日本代表は28日、スコットランド・グラスゴーのハムデン・パークでスコットランド代表と対戦し、1-0で勝利した。若手選手が多く起用された前半は0-0で終えたが、多数の主力を投入した後半から猛攻を展開。最後は3-1-4-2の超攻撃的システムでMF
伊東純也が決勝点を奪い、敵地で見事に勝ち切った。
北中米W杯前最後の活動として行われているイギリス遠征。28年ぶりのW杯出場を決めたスコットランドのホームに乗り込んだ初戦はGK
鈴木彩艶とDF伊藤洋輝が復帰戦で先発を飾った一方、A代表初先発となったMF佐野航大、FW後藤啓介を筆頭にこれまで出場機会の少なかった選手が多く先発を占めた。
引き続き3-4-2-1のシステムが採用され、GKは鈴木彩が昨年10月以来の復帰。3バックは左から伊藤、DF渡辺剛、DF瀬古歩夢が並んだ。ダブルボランチはMF
田中碧とMF藤田譲瑠チマが組み、ウイングバックは左にゲームキャプテンのFW
前田大然、右にDF菅原由勢。シャドーは左に佐野航、右にMF
鈴木唯人が入り、1トップは後藤が務めた。[スタメン&布陣]
序盤は日本がボールを握り、スコットランドの4-2-3-1の守備ブロックを伺う展開となった。最初に存在感を放ったのは初先発の後藤。前半4分、献身的なプレスバックで相手のビルドアップに制限をかけると、同5分にはポストプレーからチャンスメイクを担い、田中、
鈴木唯が絡んで菅原がクロスを上げた。これに飛び込んだ前田のボレーシュートはミートしなかったが、良い形だった。
ところが前半8分、良い対人守備を見せた渡辺がタッチライン際でボールを残そうとした際、相手のプレッシャーを受けてボールロスト。MFジョン・マッギンのクロスからMFスコット・マクトミネイに危険な左足シュートを打たれたが、これは鈴木彩がスーパーセーブでチームを救った。またこぼれ球がポストに当たってゴール前に落ちたが、藤田のカバーリングで難を逃れた。
前半10分には菅原のサイドチェンジが前田に通り、縦突破からのクロスで左CKを獲得。キッカーを務めた佐野航はショートコーナーを選択すると、田中がつなぎ、藤田がミドルシュートを放った。だが、これはGK正面。その後は相手のビルドアップになかなかプレスのハマらない時間が続き、試合は拮抗していった。
だが、この時間帯も相手の攻撃を伊藤や瀬古が身を挺して止め、CBとしての存在感を発揮。さらに伊藤は上手く時間を使うビルドアップでも前向きな流れを手繰り寄せたほか、背後へのパスから前田が抜け出す場面も作っていた。すると前半29分には伊藤が空中戦で競り勝ち、藤田がつないだボールを佐野航がミドルシュート。GKの正面に飛んだが、久々に攻撃を完結させた。
その後は徐々に再び日本が盛り返し、前半33分にもセットプレーから後藤が惜しいシュート。同36分にも
鈴木唯の右CKに渡辺が高い打点で合わせた。同38分には
鈴木唯の斜めのドリブルからスルーパスを送り、佐野航のパスを受けた田中がダイレクトシュート。これはクロスバーを叩き、惜しくもゴールには至らなかった。
なおも攻める日本は前半40分、田中のボール奪取と後藤のポストプレーで右サイド攻撃を仕掛けると、菅原のクロスに佐野航が反応。ボレーシュートはミートせず、大きく枠を外れた。同42分には
鈴木唯のミドルシュートがGK正面。同45分にはDFアンドリュー・ロバートソンのクロスを鈴木彩がなんとか阻むも、DFネイサン・パターソンのクロスがゴール前へ。マクトミネイがまたも飛び込んできたが、これは鈴木彩が押さえ、0-0でハーフタイムを迎えた。
後半開始時、日本は渡辺、佐野航、伊藤の3人を下げてDF
谷口彰悟、MF
三笘薫、DF鈴木淳之介を投入。その後はスコットランドの勢いが増し、同2分にはマッギンの折り返しからチャンスを作られたが、菅原のカバーで難を逃れる。同4分には三笘のスルーパスに後藤が抜け出すも、左足シュートは力なくGKの正面に飛んだ。
後半6分、藤田のファウルでスコットランドにゴール前でFKを与えると、マクトミネイのキックが枠内へ。だが、これは鈴木彩がパンチングで阻んだ。日本は同10分にもピンチ。ロバートソンのドリブル突破を菅原と瀬古が阻み切れず、シュートを打たれたが、ここも鈴木彩のファインセーブがチームを救った。
そのまま迎えた後半17分、日本は菅原、前田、
鈴木唯、後藤を下げてMF
伊東純也、MF堂安律、MF
中村敬斗、FW
上田綺世を投入。
森保一監督は11人の交代枠を有効活用し、主力を一気に送り出した。すると同20分、伊東の右CKのこぼれ球から三笘がボレーシュート。惜しくも右に外れたが、局面のクオリティで上回れるようになっていった。
なおも攻める日本は後半22分、鈴木彩のロングキックが敵陣に送られると、これを上田が見事なヘディングでフリックし、三笘が抜け出すと、スルーパスに伊東が反応。伊東はボックス内での冷静なキックフェイントで相手をいなし、GKもかわそうと試みたが、シュートはGKに阻まれた。
さらに後半25分、谷口の縦パスにまたも上田がヘディングでフリックし、今度は三笘がゴール前に侵入。見事な右足アウトサイドキックでゴールを狙ったが、DFスコット・マッケンナのカバーリングに阻まれた。スコットランドは同26分、ロバートソンとマクトミネイを下げてMFビリー・ギルモアとDFキーラン・ティアニーを入れた。
その後も日本の優勢が続く中、後半33分に瀬古、田中、藤田に代わってDF橋岡大樹、MF鎌田大地、FW塩貝健人を投入。塩貝がA代表デビューを果たし、上田との2トップに入った。システムは3-1-4-2。鎌田がアンカーに入り、堂安と三笘をインサイドハーフに置くという超攻撃的システムに踏み切った。
ところが後半34分、中村のサイドチェンジが相手に奪われ、カウンターを仕掛けられると、橋岡が相手に振り切られ、危険な位置で右足シュートを放たれる。これは幸運にも枠を外れたが、鈴木彩が守備陣に激しく指示を送っていた。
それでも後半39分、超攻撃的システムが奏功した。中村のパスから三笘が左の大外で起点を作ると、スルーパスに鈴木淳が抜け出し、折り返しのクロスを配球。塩貝の落としに伊東が走り込むと、冷静にゴール左隅に流し込み、待望の勝ち越しゴールが決まった。そのまま試合はタイムアップ。若手選手のテストも行い、勝利という結果も手にする上々の親善試合となった。
(取材・文 竹内達也)