家庭用
コンセントに挿して使える小型の「プラグイン式
ソーラーパネル」が、
アメリカで広がりつつあります。屋根に大がかりな設備を載せなくても電気代を抑えられる可能性がある一方、電力会社は
停電時の逆流や家庭内配線への負荷を懸念しており、その姿勢は各州の法整備にも影響しています。
Utilities are convincing lawmakers around the U.S. to delay bills that would allow people to buy solar panels and plug them into an outlet to save money on their electric bills : NPR
https://www.npr.org/2026/03/12/nx-s1-5737287/solar-panels-utilities-energy-saving
How States Can Unlock Affordable Plug-In Solar | World Resources Institute
https://www.wri.org/insights/enabling-plug-in-solar-states
プラグイン式
ソーラーパネルはバルコニーや庭先に置いて使う小型の太陽光発電設備で、一般的な屋根上の太陽光発電のように家の分電盤へ直接つなぐのではなく、小型の
ソーラーパネルと、発電した電気を家庭で使える形に変えるマイクロインバーターを組み合わせ、屋根や大がかりな設置工事なしで家庭用
コンセントに接続して使うことができます。
ただし、家全体の電力を賄えるような大規模な設備ではなく、
アメリカの公共ラジオであるNPRによると、発電量は「冷蔵庫や
電子レンジを動かせる程度」とのことです。世界資源研究所(WRI)は「これまで屋根上の太陽光発電を導入しにくかった
賃貸住宅の入居者や集合住宅の住民にとって、より現実的な選択肢になる可能性がある」と説明しています。ヨーロッパではこうしたプラグイン式
ソーラーパネルがすでに広がっており、NPRによると、ドイツでは政府に登録されたプラグイン式
ソーラーパネルが120万件を超えています。
一方、
アメリカでは制度が普及の妨げになっています。
アメリカの多くの地域ではプラグイン式
ソーラーパネルにも屋根に設置する大きな太陽光発電設備と同じような規制や接続ルールが適用されており、NPRは「電力会社と結ぶ接続契約や許認可の手続き、設置に関わる費用が重なることで、総額は機器そのものの価格のほぼ2倍になる場合もある」としています。

こうした事情を受けて、
アメリカの各州ではプラグイン式
ソーラーパネルを従来の大型太陽光発電設備とは別のものとして扱うルール作りが進められています。ユタ州ではプラグイン式
ソーラーパネルの導入を後押しする法律がすでに成立しており、WRIは「2026年時点で少なくとも24州が規制を緩める方向で検討している」と記しています。
ただし、この流れに電力会社が反対しています。NPRによると、電力会社は安全面への懸念を理由に法案への反対や採決の先送りを求めており、
ジョージア州、
アリゾナ州、ニューメキシコ州、ワシントン州、ワイオミング州では法案の審議が遅れました。
電力会社が特に心配しているのは、
停電した時に
ソーラーパネルが発電を続け、電気が本来とは逆に送電線側へ流れてしまうことです。送電網が止まっているのに電気が流れると、復旧作業をしている作業員が
感電する恐れがあります。また、プラグイン式
ソーラーパネルは普通の
家電のように電気を使うのではなく、電気を作って外へ送り出す機器であるため、
コンセントやプラグの部分で
感電の危険がないかも論点になっています。
そんな中、製品の安全試験や認証を行うUL Solutionsは2026年1月の段階でプラグイン式
ソーラーパネル向けの試験・認証プログラムを始めており、WRIは「
停電時に自動で止まる機能」などを前提にルールを作ることで安全対策ができると説明しています。