決定機の数では上回ったが、たった二度のミスで敗れた。U-21日本代表はU-21アメリカ代表に0-2で敗戦。
大岩剛監督は「個人のミスだけど全員のミス。これだけやれるところを見せられたことと、あとはそれをどう勝ちにつなげていくか。戦術プラス、あとはもうこういう経験を積んでいくしかない。大人になればなるほどチームのレベルは上がる。本当にいい90分だった。いいレッスンになった」と振り返った。
今年1月に2歳上のチームが揃うU23アジアカップを制した“ロス五輪世代”U-21日本代表。優勝後初の活動となる今回、韓国遠征2連戦の初戦でアメリカと対戦した。
日本はA代表に選出されたMF佐藤龍之介や、海外移籍をしたDF市原吏音、負傷したMF大関友翔らタレントが不在の一方、相手チームはひとつ上の世代の選手やA代表経験者も先発入り。それでも、序盤からペースを握ったのは日本だった。
左サイドでFW横山夢樹(C大阪)とDF佐藤海宏(新潟)が攻撃のリズムを作り、中盤ではMF名和田我空(G大阪)がミドルを狙う。右サイドではMF石渡ネルソン(C大阪)がボールを握り、DF梅木怜(今治)とFW古谷柊介(東京国際大/柏内定)の連係から相手のPA右に何度も入り込んだ。
しかし先制点を奪えずにいると、前半19分に最終ラインの持ち運びのミスから強引にボールを奪われ、そのまま失点。同40分にも最終ラインでのパスをカットされ、ショートカウンターから2失点目を喫した。
後半から日本はさらに攻勢を強めた。ゴールへの勢いが増した名和田は序盤に決定機を作るもゴールポストに当たる。後半から出場したFW鈴木大馳(鳥栖)のシュートもゴール枠を捉えなかった。さらに途中出場のFW石橋瀬凪(湘南)が左サイドから深い位置まで入り込む。PA左で待ち構えたMF石井久継(湘南)がボールを収めるが、フィニッシュまで持ち込めなかった。
試合はそのまま0-2で敗戦。90分を通して、チャンスを作る回数こそ多かったが決められず。一方、わずかなミスからパワーとスピードで押し切られた2失点で試合を決められた。
大岩監督は「自分たちのゲームをコントロールすることや、(ミスで)高い代償を払うこと、90分でいろんな経験をした」とまとめる。「一個上の世代でスピードもパワーも違うなかでやることの距離感。本当だったらプレッシャーを感じないのに、プレッシャーを感じちゃっている経験(の差)というところ。それが今回1試合やったことでわかったりすると思う」。U23アジア杯で優勝した今だからこそ、現在地の確認が必要。「間違いなくそれ(確認)の比重は大きかった。優勝したからって、じゃあアメリカに通用するのかと。もう1スイッチ、2スイッチ上げていかなきゃいけない」と、さらなる成長を求めていた。
「(得点を)取れた部分が取れなかった。あれだけ前半も後半も剥がせて、相手を押し込めるという部分は自信を持てるが、でも点は取れていないよねと。もうずっとそのサイクルでそれが0-2。それは全員のミス。失点はしているけど、得点も取れていない。あれだけ決定機があって、攻撃陣のミスもあるというところで全員のミスだよね、という話はした」
日本は中1日を挟み、29日にはU-23韓国代表と対戦する。1月のU23アジア杯のときに対戦したチームではあるが、今回のメンバーは前回不在だった海外組も招集されている。
敗戦こそしたものの、指揮官は選手たちの変化の兆しに目を細める。「全員がプレーすることになると思うので、多少はメンバーを変える。今日の試合の悔しさが何かのスイッチになってくれるようなゲームにしたい」。前回日本に敗れた韓国のエネルギーを逆手に、大岩監督は選手たちの発奮を期待していた。
(取材・文 石川祐介)